ビジネスマネジャー検定 過去問&問題演習(第2回)

ミーティングをしている人たちの腕の部分の画像 問題演習

ビジネスマネジャー検定の問題演習第2回です。

過去問を含む全40問を掲載しています。

正解と思う選択肢をクリックすると解説付きで正誤判定をすることができます。

<第1問(2点)>

食べ残し、売れ残りや期限が近いなどさまざまな理由で、まだ食べられる食品が廃棄されている。
こうした食品ロスを放置すると、大量の食べ物が無駄になるだけでなく、環境悪化や将来的な人口増加による食糧危機への適切な対応が困難となるなど、食品ロスの削減は、先進国だけでなく途上国においても、課題となっている。
また、国際社会が2030年までの達成を目指す「持続可能な開発目標(SDGs: Sustainable Development Goals)」のターゲットの1つに、「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる」がある。
食品ロスの削減を通じ、このターゲットを達成するには企業の協力が不可欠であり、マネジャーとして、食品ロスの削減に関する知識を有しておくことが重要である。
「食品ロスの削減の推進に関する法律」(以下、「食品ロス削減推進法」という)に関する次のア~ウの記述のうち、その内容が適切なものの個数を①~④の中から1つだけ選びなさい。
ア:食品ロス削減推進法では、食品ロスを削減していくためには、国民各層がそれぞれの立場において主体的に食品ロスの削減に取り組み、社会全体として対応していくよう、食べ物を無駄にしない意識の醸成とその定着を図っていくことが重要であるとしている。
イ:食品ロス削減推進法では、消費者は、食品ロスの削減の重要性についての理解と関心を深めるとともに、食品の購入または調理の方法を改善すること等により食品ロスの削減について自主的に取り組むように努めるものとするとしている。
ウ:食品ロス削減推進法では、事業者はその事業活動において、また消費者はその消費生活において、都道府県および市町村が定める食品ロス削減推進計画を遵守し、食品ロスの削減のための措置を講じる義務を負い、これに違反し当該措置を講じない事業者および消費者には、刑事罰が適用されるとしている。

  • ①0個
  • ②1個
  • ③2個
  • ④3個

正解!

不正解...

正解は③2個です。

アおよびイは適切である。
ウについて、食品ロス削減推進法では、事業者はその事業活動において、また消費者はその消費生活において、都道府県および市町村が定める食品ロス削減推進計画を遵守し、食品ロスの削減のための措置を講じる義務を負う旨、および、これに違反し当該措置を講じない事業者および消費者に対し刑事罰が適用される旨は規定されていない。
(第1章第1節参照)


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<第2問(3点)>

マネジャーが、チームを率いていく上で、どれだけ自己をチームメンバーに開示してその理解を得ているかを知る手法の1つに、事故の資質を「開放の領域」、「盲点の領域」、「秘密の領域」、「未知の領域」に分けて分析をする「ジョハリの窓」(Joseph Luft, Harry Ingham)がある。
ジョハリの窓に関する次のア~ウの記述について、その内容が適切であれば①を、適切でなければ②を選びなさい。
ア:開放の領域の広さは、自己が認識していない自己の資質についての他社からの評価や意見、指摘に真摯に耳を傾ける人と、頑なに耳を貸さない人とでは、異なることはない。
イ:秘密の領域を狭め、開放の領域を広げるために、積極的に自己を開示することが重要であり、部下がマネジャーの秘密の領域を知ることは、マネジャーと部下との間のコミュニケーションにとって有用である。
ウ:未知の領域は、部下が認識しているがマネジャー自身は認識していなかった資質・正確であり、部下がそのように感じたきっかけとなるマネジャーの具体的な言動を聴くことができれば、マネジャーはそれを自覚し、部下とのコミュニケーションにおけるトラブルを防止することにつながる。

  • ア①イ①ウ①
  • ア②イ①ウ①
  • ア②イ②ウ②
  • ア②イ①ウ②

正解!

不正解...

正解はア②イ①ウ②です。

アについて、自己が認識していない自己の資質(盲点の領域に属する資質)についての他者からの評価や意見、指摘に頑なに耳を貸さなければ、当該資質について認識できない可能性があり、これにより開放の領域が広がらないこともある。
そのため、当該資質について他者からの評価や意見、指摘に真摯に耳を傾ける人と、頑なに耳を貸さない人とでは、異なることはないとする本肢は適切ではない。
ウは、未知の領域ではなく、盲点の領域に関する記述である。
(第2章第1節参照)


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<第3問(3点)>

会議において、会議の目的を達成するために、中立的な立場で、会議を公正かつ効率的に進行させる役割を担う者であるファシリテーターが果たす役割等に関する次のア~エの記述のうち、その内容が適切なものの組み合わせを①~④の中から1つだけ選びなさい。
ア:ファシリテーターは、会議の参加者が、その発言を理由として、ほかの参加者から攻撃されたり無視されたりすることのないように配慮し、健全な討論の場を確保することが求められる。
イ:ファシリテーターは、会議参加者の参加意欲を引き出すために発言者が偏らないように配慮する。
また、メンバー同士の話し合いを促す。
ウ:ファシリテーターは、会議の課題について結論を出すにあたっては、出された意見のうちの多数意見に収斂するよう、積極的に議論を導き、多数意見とは異なる意見を有する出席者に対し、多数意見に賛成するよう強制することが必要である。
エ:ファシリテーターは、会議の開始と終了の時間が決まっている場合、予定された終了時間までに議題について結論を得ることができなかったとしても、会議の終了時間で議論を打ち切り、そこまでの議論で出された参加者の意見をもとに、ファシリテーターが自らの独自の判断で狩野結論を出し、当該仮の結論に基づき業務を実施しなければならない。

  • ①アイ
  • ②アエ
  • ③イウ
  • ④ウエ

正解!

不正解...

正解は①アイです。

アおよびイは適切である。
ウについて、多数意見とは異なる意見を有する出席者に対し、多数意見に賛成するよう強制することは中立的な立場とはいえず、ファシリテーターの役割に反する。
エについて、途中で打ち切られた議論から、自らの独自の判断で仮の結論を出し、当該仮の結論に基づき業務を実施することは、ファシリテーターの役割として適切とはいえない。
(第3章第2節参照)


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<第4問(2点)>

マネジャーは、業務において適切なコミュニケーションをとるために、自己および相手の感情に留意することが必要である。
この点については、適切な感情活用に関する理論としてEQ(Emotional Intelligence Quotient)理論(Peter Salovey, John Mayer)がある。
次のア~エの記述のうち、EQ理論における感情に関する能力についての説明として適切なものの組み合わせを①~④の中から1つだけ選びなさい。
ア:感情の理解:感情の生起とその感情の今後の変化を予測する能力
イ:感情の利用:自分自身の感情、および相手や周囲の人の感情を読み取る能力
ウ:感情の調整:自分自身およびコミュニケーションの相手や周囲の人の感情を、思考、判断や意思決定、行動に知的に統合する能力
エ:感情の識別:問題の解決や課題の達成等のために行動を起こす際に、その行動に適切な感情になる能力

  • ①アイ
  • ②アウ
  • ③イエ
  • ④ウエ

正解!

不正解...

正解は②アウです。

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<第5問(3点)>

X社において実施された次のア~エの施策のうち、2要因理論(Frederick Herzberg)における衛生要因に該当するものの組み合わせを①~⑥の中から1つだけ選びなさい。
ア:賃金のベースアップを実施する
イ:従業員の住宅、子弟教育、医療等への補助といったフリンジベネフィット、ストックオプションの導入など、福利厚生を充実させ、従業員のX社に対する所属の欲求を満たす施策を講じる。
ウ:個々の従業員の仕事を、挑戦的で創造的な内容とし、個々の従業員のスキル向上と成長の機会を増やすように再設計する。
エ:計画や統制といった管理・監督者の意思決定の権限を、従業員に一定程度委譲することにより、従業員が自らの仕事をコントロールする権限を与えるとともに、自らの仕事に対する責任を持たせる。

  • ①アイ
  • ②アウ
  • ③アエ
  • ④イウ
  • ⑤イエ
  • ⑥ウエ

正解!

不正解...

正解は①アイです。

2要因理論における衛生要因の例としては、賃金・労働時間等の労働条件、職場施設・設備の充実度、福利厚生などが考えられ、動機づけ要因の例としては、達成感や成長感、昇進、仕事への責任・与えられた権限、職務充実などが考えられる。
本問の選択肢の中では、アおよびイが衛生要因として適切と考えられる。
(第4章第4節参照)


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<第6問(2点)>

部下のマネジメントに関する次のアおよびイの記述について、その内容が適切であれば①を、適切でなければ②を選びなさい。
ア:マネジャーは、部下の持つ専門性や経験を有効に活用して、新しい価値の創造へと導く能力に長けていることが望ましい。
専門性の高い部下や経験の豊富な年長の部下に対しては、その価値を認めて敬意を払い、部下の持つ専門性や豊富な経験を活用させてもらうといった考え方を持つことは、マネジャーにとって大切である。
イ:マネジャーは、部下の目標設定にあたっては、ロック(Edwin Locke)の「目標設定理論」を参考にすることができる。
目標設定理論によれば、目標はあいまいなものより明確であること、および目標達成の困難さは達成しやすい目標より多少困難な目標であること、といった点に留意すると、人やチームの生産性は高まるとされる。

  • ア①イ①
  • ア①イ②
  • ア②イ②
  • ア②イ①

<第7問(3点)>

A社では、マネジャーによる部下に対する業務指示等の場面において、円滑なコミュニケーションの欠如により正確な内容が伝達されなかったためにトラブルに発展するケースが多数生じている。
次の①~③の記述は、A社において、営業部の課長Xが、円滑なコミュニケーションを図る際のポイントをまとめたものである。
これらの記述のうち、その内容が最も適切なものを1つだけ選びなさい。
①コミュニケーションの際に、相手が自分の話を黙って聞いてくれている場合、自分は話し上手であると考えて差し支えない。
人は相手の話の内容がよく理解でき、興味を持てる場合には、沈黙するのが通常である。
一方、コミュニケーションの際に、自分の話に対して、相手が沈黙して聞いてくれているにも関わらず、自分の話の内容を相手が理解しているかについて、相手に確認をするような行為は、自分の話を理解しているという、相手の暗黙の意思表示を無視することを意味し、コミュニケーションに支障をきたす原因となる。
②マネジャーとして、業務指示や報告・連絡・相談といったコミュニケーションにおいては、情報の発信者と受信者との間で、それぞれが有する知識や経験の違いにより、話の理解度が異なることに注意する必要がある。
部下は自分の説明内容を当然に理解していると判断せず、既に話した内容について質問をし部下の理解を確認したり、客観的な数値を交えるなど具体的で明快な表現を用いることが重要である。
③コミュニケーションの場面において、相手の意見を最後まで聞くことは、その意見に賛同したことを意味することになる。
したがって、相手の意見が明らかに自分の意見と異なる場合、相手の意見に賛同したと捉えられないようにするため、相手が話の途中であったとしても、即座に相手の話を遮って自分の意見を主張し、結論を先に述べなければならない。

正解!

不正解...

正解はア①イ①です。

①について、人は、相手の話の内容がわからなくなったり、興味が持てなくなったりすると、沈黙することがある。
とくに、立場に違いがある場合、立場の弱い人は、発言者の意見に質問や反論もできず沈黙するしかないことがある。
相手が、自分の話に対して適度に質問をしたり、意見を述べたりすることができているかどうかを見極めることが大切である。
③について、相手の発言を途中で遮って自分の意見を一方的に述べることは、発言者に不快の念を生じさせ、相手とのコミュニケーションが失敗するおそれがある。
(第3章第1節参照)


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<第8問(過去問)(3点)>

マネジャーは、企業における事業目標の達成に向けてチームをけん引するリーダーとして、リーダーシップを発揮することが求められる。
PM理論(三隅二不二)は、マネジャーが、自己のリーダーシップのタイプを知り、これを維持・改善するのに有用な考え方である。
PM理論に基づく分析を踏まえ、リーダーが現時点における自らのリーダーとしての行動に加えて実施することにより、そのリーダーシップを改善するために資する行動に関する次の①~④の記述のうち、その内容が最も適切なものを1つだけ選びなさい。
①PM理論に基づく分析により、pM型とされたリーダーAは、自らのリーダーシップのタイプをPM型へと改善するために、自らのチームにおいて率いる部下一人ひとりに対し真摯に応じ、すべての部下を公平に扱うこととした。
②PM理論に基づく分析により、Pm型とされたリーダーBは、自らのリーダーシップのタイプをPM型へと改善するために、チーム全体の目標達成のため、個々の部下の業務目標の達成状況について厳格に指導することとした。
③PM理論に基づく分析により、pM型とされたリーダーCは、自らのリーダーシップのタイプをPM型へと改善するために、チーム全体の雰囲気を、個々の負荷がリラックスるして就労できる環境に整えることとした。
④PM理論に基づく分析により、Pm型とされたリーダーDは、自らのリーダーシップのタイプをPM型へと改善するために、チームを構成する個々の部下の置かれた状況や業務に対する意識等を理解するため、部下との面談を定期的に実施することとした。

正解!

不正解...

正解はです。

PM理論(三隅二不二)は、リーダーシップを「P機能」(目標設定や計画立案、メンバーへの指示などにより目標を達成する能力)と、「M機能」(集団における人間関係を良好に保ち、チームワークを維持・強化する能力)で構成されるものと捉え、これら「P」と「M」の2つの能力要素の強弱によって、リーダーシップのタイプを4類型(PM型、Pm型、pM型、pm型)に分類している。
①および③において、PM理論に基づく分析によりリーダーAおよびリーダーCのリーダーシップのタイプとされた「pM型」のリーダーシップの傾向は、チームをまとめ、チーム全体の調和を築く力は強いが、チームの仕事の成果をあげることに弱いとされる。
pM型のリーダーは、自らのリーダーシップのタイプをPM型へと改善するために、部下との関係性を築くアクションよりも、自チームの生産性を上げるためのアクションに重点を置くことを検討することが重要であると考えられる。
②について、PM理論に基づく分析により、リーダーBのリーダーシップのタイプとされた「Pm型」のリーダーシップの傾向は、チームの仕事の成果をあげる力が強いが、チームをまとめ、チーム全体の調和を築くことは弱いとされる。
Pm型のリーダーは、自らのリーダーシップのタイプをPM型へと改善するために、自チームの生産性を上げるためのアクションよりも、部下との関係性を築くアクションに重点を置くことを検討することが重要であると考えられる。
(第3章第1節参照)


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<第9問(2点)>

マネジャーが、集団としての自チームをマネジメントするにあたって留意すべき事項に関する次のアおよびイの記述について、その内容が適切であれば①を、適切でなければ②を選びなさい。
ア:チームとしての意思決定をするために会議を実施し複数のメンバーで討論をするに際し、メンバーが討論前に有していた判断、感情または行動傾向が、会議での議論や討論を経ることによって、より危険性の高い方向に傾いて行ったり、逆に慎重な方向に傾いていくことがある。
このような現象は、心理学において「斉一性の圧力」と呼ばれる。
イ:マネジャーは、チームをマネジメントするにあたり、集団を結成することにより発生する心理効果であるリンゲルマン効果に注意をする必要がある。
リンゲルマン効果は、「社会的手抜き」や「社会的怠惰」とも呼ばれ、メンバーが単独で作業をするよりも集団で作業をする方が1人当たりの作業量が低下する現象を指す。

  • ア①イ①
  • ア①イ②
  • ア②イ②
  • ア②イ①

正解!

不正解...

正解はア②イ①です。

アについて、チームとしての意思決定をするために会議を開き複数のメンバーで討論をするに際し、メンバーが討論前に持っていた判断、感情または行動傾向が、会議での議論や討論を経ることによって、より危険性の高い方向に傾いて行ったり、逆に用心深い方向に傾いていくことがある。
このような現象は、心理学において「集団極性化」と呼ばれる。
よって適切ではない。
(第7章第1節参照)


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<第10問(2点)>

マネジャーが人事考課を行うに際し、部下を評価するにあたって留意すべき事項である次のア~ウの記述のうち、その内容が適切なものを〇、適切でないものを×とした場合の組み合わせを①~⑥の中から1つだけ選びなさい。
ア:マネジャーは、自らが率いるチーム全員が一丸となって、チームの目標に向かおうとするエネルギーを生み出すことが求められ、そのためには、チームを構成する部下の有する能力が均一である必要がある。
そこで、マネジャーは、人事考課において部下を評価する際には、チームを構成するすべての部下について「普通」の評価をすることで、評価結果が平均的な等級に集中し、部下間に優劣の差が生じないように調整することが重要である。
イ:マネジャーは、人事考課において部下を評価する際には、部下の長所を伸ばすことにより短所を補うという観点から、部下の望ましい点や長所をなるべく多く取り上げてそれらを高く評価し、望ましくない点や短所は指摘せず、評価基準に達していない項目についても実際の評価よりも高めの評価をする必要がある。
ウ:マネジャーが部下を評価する際に、既定の評価項目および評価基準を厳格に適用して正確に評価することを重視するあまり、部下を実際よりも高めに評価するといった部下への気遣いをしない場合、マネジャーは、部下から「心理的リアクタンス」(マネジャーに対する反発)を受けることとなる。
マネジャーは、部下の「心理的リアクタンス」を回避するために、部下を評価する際には、部下を気遣い、部下を実際よりも高めに評価することが重要である。

  • ア〇イ〇ウ〇
  • ア〇イ〇ウ×
  • ア〇イ×ウ×
  • ア×イ〇ウ〇
  • ア×イ×ウ〇
  • ア×イ×ウ×

正解!

不正解...

正解はア×イ×ウ×です。

アについて、チーム全員が一丸となってチームの目標に向かおうとするエネルギーを生み出すためには、必ずしもチームを構成する部下の有する能力が均一である必要はない。
また、マネジャーが部下を評価する際に、すべての部下について「普通」の評価をし評価結果を平均的な等級に集中させたとしても、部下間の優劣の差が生じなくなるものではない。
マネジャーは、人事考課に際しては、部下の勤務態度、意欲、業績等について、日常的に良い点や悪い点を具体的に記録し、客観的な事実に基づいて考課をすること等が重要である。
イについて、人事考課においてマネジャーが部下を評価する際には、部下の望ましい点や調書だけでなく、望ましくない点や短所についても適正に評価する必要がある。
ウについて、心理的リアクタンスは、例えばAがBに対してある選択を強制しようとした場合、Bは自らの自由な意思が害されたと感じた結果、BはAが強制しようとした選択とは逆の態度・意思決定をするとの考え方である。
なお、人事考課においてマネジャーが部下を評価する際には、既定の評価項目および評価基準を厳格に適用して正確に評価することを重視することが重要であり、部下を実際よりも高めに評価するといった部下への気遣いをするべきではない。
(第6章第5節参照)


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<第11問(3点)>

人材育成の手法に関する次のア~エの記述のうち、その内容が適切なものの個数を①~③の中から1つだけ選びなさい。
ア:OJTとは、職場において、主として上司、先輩が部下、後輩に対して、仕事を通して必要な知識・技能、能力などを指導し育成することである。
OJTで習得する事項は、日常の業務における他部門や取引先等との間の調整など部下が従事する業務に関する事項に限られ、職場においてとるべき行動・態度や、仕事に対する姿勢など部下個人の属人的な事項は含まれない。
イ:OJTは、業務中の時間を使って実施されるため、指導する者の負担が大きく、また、断片的な指導となることがあり、理論的、体系的に教育するには適さない面もある。
ウ:OFF-JTは、従業員が自分の能力を高めるために業務外の時間を利用して自発的に行う能力開発のことであり、従業員個人の自分に対する教育投資である。
業務に関連する書籍の購読や、外部の教育機関のセミナー・通信講座の受講、e-ラーニングなどが典型的な方法であるが、職業能力開発促進法上、企業は、Off-JTを行う従業員に対し、当該OFF-JTにかかる費用相当額を支給しなければならない。
エ:Off-JTでは、それぞれの部下の教育ニーズに即した指導を実施することが可能である。
また、実際の仕事自体が教材となるので、実務に直結し、実践的な成果を期待することができる。

  • ①0個
  • ②1個
  • ③2個
  • ④3個
  • ⑤4個

正解!

不正解...

正解は②1個です。

アについて、OJTで習得する事項は、日常の業務における他部門や取引先等との間の調整などに限られず、職場においてとるべき行動・態度や、仕事に対する姿勢などの様々な事項が含まれる。
ウについて、職業能力開発促進法上、企業は、OFF-JTを行う従業員に対し、当該OFF-JTにかかる費用相当額を支給しなければならないとする規定はない。
エについて、OFF-JTは、一般に、共通して必要となる基本的な知識・技能や、職場では学ぶことが困難な知識・技能について、対象者を集めて行う人材育成手法であり、部下一人ひとりの教育ニーズに即した指導を実施するのには不向きと考えられる。
(第6章第4節参照)


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<第12問(3点)>

企業は、その経営環境の状況や経営戦略、指揮命令系統、意思決定権限、企業文化等の観点を考慮しつつ、適切な組織構造を選択することが重要である。
次の①~③は、組織構造の一例である。

①仕事の種類ごとに編成された複数の単位から構成される「機能別組織」
②特定の仕事を果たすために、異なる技能、知識、ビジネス上の経験を有し、本来は異なる分野に属する複数の者により構成される「プロジェクトチーム型組織」
③経営層の下に複数の事業部を編成する「事業部制組織」

上記の①~③の組織構造のうち、次のア~エの特徴をすべて有するものを1つだけ選びなさい。
ア:通常「ライン」部門という、企業の目的を直接遂行する部門と、「スタッフ」部門という、ライン部門が効率よく業務遂行できるように指導、援助、助言をする部門(人事・経理・総務など)によって構成される。
イ:この組織構造の利点として、従業員がどのような業務を行うべきか(役割分担)を容易に理解できることが挙げられる。
また、部門間での仕事の重複が避けられる。
ウ:この組織構造の利点として、従業員は、その職能に関する知識や技能を得ることによって、専門性を高めることを挙げることができる。
これによって業務の効率性が上がり、また成果に直結すると考えることができる。
エ:この組織構造の難点として、急激な市場の変化や、各部門が連携し企業を挙げて取り組むべき業務には対応しにくいケースがあることが挙げられる。

<第13問(2点)>

マネジャーは、バーナード(Chester Barnard)の組織論を参考にし、自己が率いるチームについて、公式組織(2人以上の人々の意識的に調整された活動や諸力の一体系)が成立するための要素を充たしているかを検証することにより、自己が率いるチームを、単なる人間の集団としてではなく、企業の目標を達成するための集団として有効に機能させるのに役立てることができる。
次のア~オのうち、バーナードの組織論において、公式組織が成立するための要素とされているものの組み合わせを①~⑤の中から1つだけ選びなさい。
ア:コミュニケーション
イ:経済的価値
ウ:共通目的
エ:イノベーション
オ:協働意欲(貢献意欲)

  • ①アイウ
  • ②アイエ
  • ③アウオ
  • ④イエオ
  • ⑤ウエオ

正解!

不正解...

正解は③アウオです。

バーナード(Chester Barnard)は、公式組織が成立するための要素として、「共通目的」、「協働意欲(貢献意欲)」、「コミュニケーション」を挙げている。
(第7章第3節参照)


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<第14問(2点)>

企業は、業界内での競争における優位な地位を確保するために、その保有する経営資源を有効に活用することが重要である。
リソース・ベースト・ビュー(Resource-Based View, Jay Barney)は、企業はその保有する経営資源を有効に活用することによって、業界内での競争における優位な地位を獲得できるとする考え方であり、VRIO分析は、企業が遂行する事業に関し、「Value(経済的価値)」、「Rarity(稀少性)」、「Imitability(模倣困難性)」および「Organization(組織)」という要素についての問いに対する評価により、企業の保有する経営資源が強みなのか弱みなのかを判断するのに有用である。
VRIO分析に関する次のア~エの記述のうち、その内容が適切なものを〇、適切でないものを×とした場合の組み合わせを①~⑧の中から1つだけ選びなさい。
ア:企業が保有する経営資源の「Value(経済的価値)」は、「企業がその経営資源を保有していることで、外部環境における脅威を無力化することができるか、もしくは外部環境における機会を適切にとらえることができるか」という趣旨の問いに対する評価により判断される。
イ:企業が保有する経営資源の「Rarity(稀少性)」は、「その経営資源を保有していない企業が、その経営資源を保有するためには、コスト上の不利に直面するか」という趣旨の問いに対する評価により判断される。
ウ:企業が保有する経営資源の「Imitability(模倣困難性)」は、「企業が保有する経営資源が、VRIO分析の対象となる要素のうち、この要素以外のすべての要素を有している場合において、当該経営資源を最大限に活用するための、公式の命令・報告系統、マネジメント・コントロール・システム、報酬体系などのプロセスやルール、手続等が整っているか」という趣旨の問いに対する評価により判断される。
エ:企業が保有する経営資源の「Organization(組織)」は、「現在、その経営資源を保有しているのは、ごく少数の競合企業か」という趣旨の問いに対する評価により判断される。

  • ①ア〇イ〇ウ〇エ〇
  • ②ア〇イ〇ウ×エ×
  • ③ア〇イ×ウ〇エ〇
  • ④ア〇イ×ウ×エ×
  • ⑤ア×イ〇ウ〇エ×
  • ⑥ア×イ〇ウ×エ〇
  • ⑦ア×イ×ウ〇エ×
  • ⑧ア×イ×ウ×エ×

正解!

不正解...

正解は④ア〇イ×ウ×エ×です。

イについて、企業が保有する経営資源の「Rarity(稀少性)」は、「現在、その経営資源を保有しているのは、ごく少数の競合企業か」という趣旨の問いに対する評価により判断される。
ウについて、企業が保有する経営資源の「Imitability(模倣困難性)」は、「その経営資源を保有していない企業が、その経営資源を保有するためには、コスト上の不利に直面するか」という趣旨の問いに対する評価により判断される。
エについて、企業が保有する経営資源の「Organization(組織)」は、「企業が保有する、「Value(経済的価値)」、「Rarity(稀少性)」および「Imitability(模倣困難性)」を有する経営資源を最大限活用するための、公式の命令・報告系統、マネジメント・コントロール・システム、報酬体系などの組織におけるプロセスやルール、手続等が整っているか」という趣旨の問いに対する評価により判断される。
(第7章第3節参照)


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<第15問(過去問)(3点)>

SWOT分析は、事業運営に関する要素を、強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)および脅威(Threats)に分類してそれぞれの要素を洗い出し、事業の方向性や経営資源を投入すべき事業などの決定に役立てることができるフレームワークである。
次の①~④の記述は、建設業を営むX社の営業部のマネジャーであるAが、SWOT分析を用いてX社の経営環境を分析した際の結果である。
これらの分析結果のうち、SWOT分析における「強み(Strengths)」にがいとうするものを1つだけ選びなさい。
なお、解答にあたっては、①~④のすべての分析結果がX社の経営環境の分析として適切であることを前提とするものとする。

  • ①X社の所在地の官公庁舎がまもなく耐用年数に達するため、修繕等の公共工事の競争入札が予定されている。
  • ②高齢化社会対応、災害対策、建物の機能性の向上など、需要者のニーズは高度化かつ多様化している。
  • ③X社は、豊富な施工技術の蓄積があり、需要者からの多様な要望に対応できる。
  • ④若年層の労働者の定着率が低い。

正解!

不正解...

正解は③X社は、豊富な施工技術の蓄積があり、需要者からの多様な要望に対応できる。です。

SWOT分析は、自社事業の状況を、外部環境(自社事業を取り巻く経済情勢や市場の動静、法律改正、競合他社や行政の働きなど)についてのプラス要因である「機会」とマイナス要因である「脅威」と、内部環境(自社が有する経営資源やブランド力、立地条件、技術力など)のプラス要因である「強み」とマイナス要因である「弱み」とに整理して分析することで、経営戦略の策定等に生かすことのできるフレームワークである。
本問における①~④のうち、SWOT分析における「強み(Strengths)」には、③が該当する。
(第7章第3節参照)


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<第16問(2点)>

X社は、多様な商品を幅広く取り扱い、それらの卸売および消費者への直接販売を行う商社である。
X社の企画部マーケティング室では、X社が新規に取り扱うべき商品を選定に関し、その商品を取り扱う業界について議論がなされた。
当該議論では、業界内における競合企業間の競争が激しい業界への参入は避けるべきだという認識で一致した。
次の①~④の記述のうち、ファイブフォース分析(Michael Porter)の考え方に照らし、一般に、業界内における競合企業間の敵対関係が激化する要因とされるものを1つだけ選びなさい。

  • ①業界において同業企業の提供する商品が、それぞれ差別化されている。
  • ②業界における同業企業の数は少なく、各企業間の経営規模に明確な格差が存在する。
  • ③商品を在庫として保有するのに多大なコストを要する。
  • ③商品を在庫として保有するのに多大なコストを要する。
  • ④業界への参入障壁が大きく、業界からの撤退障壁が小さい。

正解!

不正解...

正解は③商品を在庫として保有するのに多大なコストを要する。です。

本問の①~④の記述のうち、ファイブフォース分析(Michael Porter)における、業界内の競合企業間の敵対関係が激化する要因にが言おうするのは、③「商品を在庫として保有するのに多大なコストを要する」ことである。
(第8章第3節参照)


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<第17問(2点)>

甲社は、A事業・B事業・C事業・D事業・E事業の5つの事業を展開している。
甲社経営企画部のマネジャーXは、これらの事業をPPM(Product Portfolio Management)分析に基づき、「金のなる木」、「花形」、「問題児」、「負け犬」の各象限に分類したところ、次の結果を得た。

金のなる木:A事業、B事業
花形:該当する事業はない
問題児:C事業
負け犬:D事業、E事業

上記のPPM分析の結果に基づき、Xが検討した次の①~④の戦略案のうち、PPMの考え方に照らし、効率的に甲社の業績の向上を図るために最も適切でないものを1つだけ選びなさい。

  • ①甲社が展開する5つの事業のうち、4つの事業は、成熟期~衰退期に入っていることが考えられ、甲社の将来性の観点から、甲社として、「問題児」に分類される新規の事業に着手することを検討することが重要である。
  • ②A事業およびB事業で生み出される利益をC事業に対する投資に充て、C事業を「花形」に成長させる戦略を検討するべきである。
  • ③A事業、B事業については、積極的な追加投資を控えてコストを控えてコストを削減し収益の最大化を目指すべきである。
  • ④D事業、E事業については、「負け犬」から脱却すべく、A事業及びB事業で生み出される利益を集中的に追加投資として充てることにより、市場の成長および市場におけるシェアの拡大を図ることを検討するべきである。

正解!

不正解...

正解は④D事業、E事業については、「負け犬」から脱却すべく、A事業及びB事業で生み出される利益を集中的に追加投資として充てることにより、市場の成長および市場におけるシェアの拡大を図ることを検討するべきである。です。

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<第18問(2点)>

家電製品の製造・販売業を営むA社は、携帯用音楽再生装置の市場(以下、「本件市場」という)において、自社の製造・販売する装置甲を主力製品として最大のシェアを持ち、本件市場において競合他社を牽引する主導的立場にある。
次のア~エの記述のうち、競争的地位戦略(Philip Kotler)の考え方に照らし、A社が本件市場における自社の競争地位に応じて採るべき戦略として適切なものの個数を、①~⑤の中から1つだけ選びなさい。
ア:A社の資金力・卓越した商品開発力などを活用して、装置甲を中心とする周辺需要に幅広く商品を投入することにより、本件市場の拡大を目指す。
イ:新規の製品・サービスの開発や流通効率の改善、コストの削減により、A社の競争力およびA社が顧客に提供できる価値の向上を持続し、本件市場におけるシェアの防衛を図る。
ウ:A社の資金力を活用し、装置甲の購入者全員に、装置甲の販売価格の2倍の金額に相当する商品券を進呈する販売促進施策を実施することで、装置甲の購入者の増大を図り、その占有するシェアを拡大する。
エ:本件市場において、競合企業が、装置甲よりも安価な製品を開発し販売した場合には、競合企業にシェアを奪われないようにするため、A社の資金力・卓越した商品開発力などを活用して、装置甲をその製造に通常必要な費用を著しく下回る対価で製造し継続して本件市場に供給することにより、競合企業の事業活動を困難にさせる。

  • ①0個
  • ②1個
  • ③2個
  • ④3個
  • ⑤4個

正解!

不正解...

正解は③2個です。

ウのような行為は、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)上の景品類の提供の制限および禁止に関する規定に違反する可能性がある。
そのような行為は、不公正な取引方法として、独占禁止法に違反する可能性がある。
(第8章第4節参照)


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<第19問(過去問)(3点)>

X社は、自社製品の販売に関するa事業について、「成長マトリクス」(Igor Ansoff)における「多角化」の成長戦略を採用することとした。
この場合において、X社がa事業について実施する事項に関する次の①~⑥の記述のうち、成長マトリクスの考え方に照らして適切なものを2つ選びなさい。
①従来、ビジネスでの利用のために購買されるのが主流であった製品について、その購買層を一般消費者にも拡大する。
②従来、製品の販売のみを事業としていたが、製品の販売だけでなく、製品を製造する事業も開始する。
③現在、事業展開している既存の市場において、競合他社の製品を購入している消費者に自社の既存の製品を購入させる。
④現在、事業展開している既存の市場において、従来とは異なる技術を採用して開発した製品を投入する。
⑤既存の製品とは全く異なる新たな製品を開発し、現在事業展開している既存の市場ではなく、新規の市場に参入する。
⑥現在、事業展開している既存の市場において、顧客による既存の製品の購買数量や購買頻度を増加させる。

  • ①②
  • ②⑤
  • ③⑥
  • ②④
  • ①⑤

正解!

不正解...

正解は②⑤です。

「成長マトリクス」(Igor Ansoff)では、「市場」と「製品」という2軸を設定し、それぞれの軸について新規と既存に切り分けた場合に、企業が向かうべき方向性として、「市場開拓」、「市場浸透」、「多角化」および「製品開発」の4つが示される。
(第8章第4節参照)


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<第20問(2点)>

甲社営業部の会議でのアイスブレイクで、参加者の論理的思考力の養成を目的とした試みが実施された。
その内容は、同会議の参加者6名中の5名(A, B, C, D, E)のうち1名が虚偽の発言をし、他の4名は真実の発言をしていることを前提として、同参加者のFに対し、次の発言をし、Fが論理的思考に基づき、正しい結論を導くというものである。
A:「私は、先月、新規取引先を15件獲得しました。」
B:「Cは、虚偽の発言をしていません。」
C:「私は、先月の売上を、対前年同月比で7%増加させました。」
D:「Eの発言は、虚偽ではありません。」
E:「私の発言は、真実です。」
次の①~⑤の記述のうち、上記のA~Eの発言から、Fが論理的思考に基づいて導くべき結論としてその内容が最も適切なものを1つだけ選びなさい。

  • ①虚偽の発言をしているのはAである
  • ②虚偽の発言をしているのはBである
  • ③虚偽の発言をしているのはCである
  • ④虚偽の発言をしているのはDである
  • ⑤虚偽の発言をしているのはEである

正解!

不正解...

正解は①虚偽の発言をしているのはAであるです。

Cの発言が虚偽だとすれば、Bの発言も虚偽であることになり、5名(A, B, C, D, E)のうち1名が虚偽の発言をし、他の4名は真実の発言をしているという前提が成立しない。
DおよびEの発言についても同様である。
(第9章第2節参照)


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<第21問(3点)>

財・サービスの生産に関する管理活動である生産管理(production management)は、「QCD」に関する最適化を図るため、人、物、金、情報を用いて、需要予測、生産計画、生産実施、生産統制をおこなう手続およびその活動であるとされる(JIS Z 8141: 20221215)。
生産管理の対象であるQCDに関する次の①~④の記述のうち、その内容が最も適切なものを1つだけ選びなさい。

  • ①Qを向上させるほど、Cは提言するが、Dの数値が増加する。
  • ②Qが低下すると、顧客からの信頼低下につながる。また、低下したQの改善のための作業のやり直し等により、Dの数値の減少やCの増加を引き起こし得る。
  • ③Cを低減させることは、利益の増加や競争力の強化につながり得るが、Cを低減させることによりQの低下やDの数値の減少がもたらされることを回避することが重要である。
  • ④Dの数値を改善する方法として、所定の標準作業時間と実際の作業に要する時間とを比較し、標準作業時間を大きく超える作業について作業時間の短縮を図るための方策を講じることが挙げられる。

正解!

不正解...

正解は④Dの数値を改善する方法として、所定の標準作業時間と実際の作業に要する時間とを比較し、標準作業時間を大きく超える作業について作業時間の短縮を図るための方策を講じることが挙げられる。です。

「QCD」は、品質(Quality)、費用(Cost)、および納期(Delivery)を指す。
①については、一般に、品質(Quality)を向上させるほど、費用(Cost)は増加する。
②については、Dの数値の増加やCの増加を引き起こし得る。
③については、Qの低下やDの数値の増加がもたらされることを回避することが重要である。
(第10章第4節参照)


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<第22問(2点)>

マネジャーは、業務をマネジメントするにあたり、チームの目標の達成に向けて取り組むべき実施事項を洗い出し、業務計画を作成し、それを実施しつつ、業務が計画に沿って適切に遂行されているか、その進捗状況を管理する必要がある。
業務の進捗状況の管理に関する次のアおよびイの記述について、その内容が適切であれば①を、適切でなければ②を選びなさい。
ア:業務のマネジメントの効率化を図り、業務の管理を継続的に改善する手法の1つにPDCAサイクルがある。
PDCAサイクルは、ⅰ)まず計画を策定し、ⅱ)次にその計画を確認して評価し、ⅲ)その評価に基づき必要な処置を加えて計画を改善し、ⅳ)最後にその改善された計画を踏まえて次の計画を策定するという一連のサイクルである。
イ:業務計画の進捗を管理する過程で問題が生じた場合に、その原因の所在を発見するにあたって有用なフレームワークとして、「問題発見の4M」を挙げることができる。問題発見の4Mは、問題の所在を発見するために、製品の品質を決定する要素である「人(Man)」、「機械(Machine)」、「材料(Material)」および「方法(Method)」について検証するものである。

  • ア①イ①
  • ア①イ②
  • ア②イ②
  • ア②イ①

<第23問(2点)>

次の表は、損益計画書および貸借対照表の項目ごとにX社とY社の金額を対比させたものである(会計期間:20X1年4月1日~20X2年3月31日)。
これらの表を前提とするア~エの記述のうち、その内容が適切なものの組み合わせを①~④の中から1つだけ選びなさい。
なお、X社とY社は同業種の企業であり、両者の間には親子会社等の関係はないものとする。
ア:X社の売上高総利益率は40%であり、Y社と比べ、X社はより多くの付加価値を生み出しているといえる。
イ:X社の固定比率は100%であり、Y社と比べて高く、X社は安全性の面で優れているといえる。
ウ:X社の負債比率は250%であり、Y社と比べて高く、X社は安全性の面で劣っているといえる。
エ:X社の流動資産回転率は1回転であり、X社は流動資産の効率性についてY社よりも劣っているといえる。

  • ①アイ
  • ②アウ
  • ③イエ
  • ④ウエ

正解!

不正解...

正解は④ウエです。

アは適切ではない。
売上高総利益率は、売上総利益÷売上高x100(%)で計算され、数値が高い方がより多くの付加価値を生み出していると評価できる。
X社の売上高総利益率は40%であり、Y社は50%であるから、Y社の方がX社よりも多くの付加価値を生み出しているといえる。
イは適切ではない。
固定比率は、固定資産÷純資産x100(%)で計算され、数値が低いほど過剰投資が少なく安全性の面で優れていると評価できる。
X社の固定比率は100%であり、Y社は50%である。
したがって、Y社の方がX社よりも安全性の面で優れているといえる。
ウ・エは適切である。
(第10章第2節参照)


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損益計算書のサンプル図
貸借対照表のサンプル図

<第24問(2点)>

X社は、製品の製造業を営む企業であり、その主力製品の製造に用いる原材料甲について、取引先のA社およびB社から供給を受けている。
次の表の減少への耐性があるかについて分析した際に用いた資料(会計期間:20X1年4月1日から20X2年3月31日)である。
次の①~④の記述は、当該資料に基づく分析の結果について、企画調査課において検討した結果である。
これらの結果のうち、当該資料に基づく分析から導かれるものとして最も適切なものを1つだけ選びなさい。

  • ①損益分岐点比率の数値は、A社よりもB社の方が小さい値となっている。したがって、原材料甲の売上高の減少への耐性は、A社よりもB社の方が強いといえる。
  • ②損益分岐点比率の数値は、A社よりもB社の方が小さい値となっている。したがって、原材料甲の売上高の減少への耐性は、B社よりもA社の方が強いといえる。
  • ③損益分岐点比率の数値は、B社よりもA社の方が小さい値となっている。したがって、原材料甲の売上高の減少への耐性は、A社よりもB社の方が強いといえる。
  • ④損益分岐点比率の数値は、B社よりもA社の方が小さい値となっている。したがって、原材料甲の売上高の減少への耐性は、B社よりもA社の方が強いといえる。

正解!

不正解...

正解は④損益分岐点比率の数値は、B社よりもA社の方が小さい値となっている。したがって、原材料甲の売上高の減少への耐性は、B社よりもA社の方が強いといえる。です。

損益分岐点比率は、損益分岐点売上高÷実際の売上高x100の計算式で求める。
なお、「損益分岐点売上高」は、販売単価×損益分岐点販売数量
損益分岐点販売数量は、固定費÷単位当たりの限界利益
単位当たりの限界利益は、販売単価-単位当たりの変動費
の計算式でそれぞれ求める。
上記の計算式から算出したA社の損益分岐点売上高は14,000,000円、B社の損益分岐点売上高は28,000,000円となる。
これらの損益分岐点売上高により損益分岐点比率の計算式で算出すると、本件における損益分岐点比率の数値は、A社が25%、B社が50%となる。
損益分岐点比率の数値は、小さい値である方が望ましい。
(第10章第1節参照)


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第24問の表

<第25問(過去問)(3点)>

企業が提供する製品・サービスを顧客に販売する仕組みであるマーケティングについては、業界や企業のおかれている状況によって異なる戦略がとられる。
企業は、その立案したマーケティング戦略を遂行するために、製品戦略や広告、流通、人材配置等の施策を実施する。
マーケティングミックス(Jerome McCarthy)は、「Product(製品)」、「Price(価格)」、「Place(流通)」、「Promotion(販促)」の各要素を明確化して組み合わせ、企業が立案したマーケティング戦略を具体的な施策へ落とし込む。
A社は、マーケティングミックスを活用し、同社の製品aを市場に送り込んだが、その販売実績は当初の予測を下回るものであった。
A社が分析したところ、次のa~dに挙げる問題点が判明した。

a. ターゲットとしたセグメントの顧客が最寄りとする店舗で製品aが販売されていない
b. 製品aは、ターゲットとしたセグメントの顧客の所得水準に対し、効果である
c. 製品aの機能が、ターゲットとしたセグメントの顧客のニーズに適合していない
d. ターゲットとしたセグメントの顧客が製品aの特長・魅力を認識していない

これらの問題のうち、dの問題が生じる原因となるマーケティングミックスの戦略の不備として最も適切なものを次の①~④の中から1つだけ選びなさい。

  • ①Product(製品)戦略の不備
  • ②Price(価格)戦略の不備
  • ③Place(流通)戦略の不備
  • ④Promotion(販促)戦略の不備

正解!

不正解...

正解は④Promotion(販促)戦略の不備です。

マーケティングミックス(Jerome McCarthy)では、マーケティング戦略を、「4P」と呼ばれる「Product(製品)」、「Price(価格)」、「Place(流通)」、「Promotion(販促)」の各要素を明確化して組み合わせて具体的な施策へと落とし込む。
上記のうち、「Promotion(販促)」は、顧客とのコミュニケーションを通じ、顧客に製品の存在、機能・価値などを効果的に伝えて製品の認知度を高め、顧客を購買行動に導く一連の活動を指す。
本問におけるdの問題点(「ターゲットとしたセグメントの顧客が製品aの特長・魅力を認識していない」)は、Promotion(販促)戦略の不備を原因とするものと考えられる。
(第11章第1節参照)


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<第26問(3点)>

イノベーター理論(Everett Rogers)に関する次のア~オの記述のうち、その内容が適切なものの個数を①~⑥の中から1つだけ選びなさい。
ア:「アーリー・アダプター」は、専門知識に裏打ちされた好奇心が旺盛なため、イノベーションを活用したまったく新しい製品を入手したがる傾向がある。
自分の価値観は社会の中で相容れないものと考えている。
イ:「レイト・マジョリティ」は、保守的で流行に関心が薄く、製品やサービスが普及し一般化するまで採用しないといった傾向がある。
遅滞者とも呼ばれる。
ウ:「イノベーター」は、豊富な専門知識を持ち旺盛な好奇心の下で積極的に情報収集を行い判断する。
自分の価値観は社会と調和していると考えており、イノベーションが社会に対していかなる影響を及ぼすかを予見する力を持っている。
エ:「ラガード」は、新しい製品などの採用には慎重で、ほかの大多数の人が使用するのを確認した後に新規の製品などを試す傾向にある。
オ:「アーリー・マジョリティ」は、新製品を購入するに際して、新製品を利用することで、仕事の効率化やコスト削減が図れるかといった実用性や、すでに導入している他社の事例を重視する。

  • ①0個
  • ②1個
  • ③2個
  • ④3個
  • ⑤4個
  • ⑥5個

正解!

不正解...

正解は②1個です。

オが適切である。
アについて、「アーリー・アダプター」は豊富な専門知識を持ち旺盛な好奇心の下で積極的に情報収集を行い判断する。
自分の価値観は社会と調和していると考えており、イノベーションが社会に対していかなる影響を及ぼすかを予見する力を持っているとされる。
イについて、「レイト・マジョリティ」は、新しい製品などの採用には慎重で、ほかの大多数の人が使用するのを確認した後に新規の製品などを試す傾向にあるとされる。
ウについて、「イノベーター」は、専門知識に裏打ちされた好奇心が旺盛なため、イノベーションを活用したまったく新しい製品を入手したがる傾向があり、自分の価値観は、社会の価値観と異なると考えているとされる。
エについて、「ラガード」は、流行に関心が薄く、製品やサービスが普及し一般化するまで採用しないといった傾向があるとされる。
(第11章第2節参照)


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<第27問(3点)>

企業は、緊急事態に備え、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法・手段などを取り決めておく計画(BCP(Business Continuity Plan, 事業継続計画))を策定し、これを全車に周知しておくことが重要である。
次の①~⑤の記述のうち、中小企業庁「中小企業BCP策定運用指針 第2版-どんな緊急事態に遭っても企業が生き抜くための準備-」の趣旨に照らし、BCPの考え方に則った取り組みとして最も適切でないものを1つだけ選びなさい。

  • ①自社が自然災害や人的災害に遭遇した場合、その事業活動にどのような影響が及ぶかを想定している。
  • ②自社周辺地域における、地震や風水害により発生し得る被害に関する危険性を把握している。
  • ③緊急事態に遭遇した場合、どの事業を優先的に継続・復旧すべきであり、そのためには何をすべきか考え、実際に何らかの対策をとっている。
  • ④定期的に避難訓練や初期救急、心肺蘇生法等の訓練を実施している。
  • ⑤一時的に事業の中断をせざるを得なくなった時点で、直ちに人員整理ができるよう、解雇の対象となる従業員をあらかじめ選定している。

正解!

不正解...

正解は⑤一時的に事業の中断をせざるを得なくなった時点で、直ちに人員整理ができるよう、解雇の対象となる従業員をあらかじめ選定している。です。

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<第28問(3点)>

パワー・ハラスメントに関する次のア~エの記述のうち、「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(以下、「パワハラ指針」という)に照らし、その内容が適切なものの組み合わせを①~④の中から1つだけ選びなさい。
ア:職場におけるパワー・ハラスメントは、触媒において行われるⅰ)優越的な関係を背景とした言動、ⅱ)業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動、ⅲ)労働者の就業環境が害される言動、のいずれかの要素を満たすものが該当する。
イ:客観的に見て、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導であっても、当該業務指示や指導を受けた個人の受け取り方を基準として、その個人が不満に感じれば、業務上の適正な範囲で行われているか否かを問わず、当該注意・指導はパワー・ハラスメントに該当する。
ウ:「職場におけるパワー・ハラスメント」にいう「職場」とは、事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、当該労働者が業務を遂行する場所については、「職場」に含まれる。
エ:パワハラ指針では、「労働者」とは、いわゆる正規雇用労働者のみならず、パートタイム労働者、契約社員等いわゆる非正規雇用労働者を含む事業主が雇用する労働者のすべてをいうとしている。

  • ①アイ
  • ②アエ
  • ③イウ
  • ④ウエ

正解!

不正解...

正解は④ウエです。

アについて、職場におけるパワー・ハラスメントは、触媒において行われるⅰ)優越的な関係を背景とした言動であって、ⅱ)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、ⅲ)労働者の就業環境が害されるものであり、ⅰ)~ⅲ)までの要素をすべて満たすものをいうとされる。
イについて、客観的に見て、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワー・ハラスメントには該当しない。
(第13章第2節参照)


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<第29問(3点)>

厚生労働省は、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(以下、「ガイドライン」という)を定め、使用者による労働者の労働時間の適正な把握の促進を図っている。
部下に対する指揮命令権等を有するマネジャーも労働基準法上の使用者に該当することがあり、その場合、マネジャーは部下の労働時間を適正に把握する責務を負う。
使用者にあたるマネジャー(以下、「マネジャー」という)が、部下である労働者の労働時間を把握する場合に関する次のア~ウの記述について、ガイドラインに照らし、その内容が適切であれば①を、適切でなければ②を選びなさい。
ア:マネジャーは、部下の労働時間を適正に把握するため、部下の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、記録することが必要である。
イ:マネジャーが始業・終業時刻を確認し、記録する場合には、タイムカードやICカード等の客観的な記録を基礎として確認し記録しなければならず、マネジャーが、自ら現認することにより確認し記録することは認められない。
ウ:自己申告制(労働者が自己の労働時間を自主的に申告することにより労働時間を把握するもの)により始業・終業時刻の確認・記録を行わざるを得ない場合、マネジャーは、自己申告制の対象となる部下に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行う必要がある。

  • ア①イ①ウ①
  • ア①イ②ウ①
  • ア②イ②ウ②
  • ア②イ①ウ②

正解!

不正解...

正解はア①イ②ウ①です。

イについて、使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として、ⅰ)使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること、ⅱ)タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録することのいずれかの方法によることとされている。
(第13章第1節参照)


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<第30問(3点)>

マネジャーは、部下にストレスによる変化がないかどうか、日ごろから注意を払い、時には声をかけるなどして確認することが重要である。
部下の変化を早期に発見するためには、ストレッサー(ストレスが生じる原因となる刺激。ストレス要因)に対する人間の心身のメカニズムや反応を理解し、ストレッサーに対応しようとする生体の緊張(ストレイン)状態・反応(以下、「ストレス反応」という)が現れていないか注意することが有用である。
次のア~エの記述のうち、ストレス反応として生じる変化として適切なものを〇、適切でないものを×とした場合の組み合わせを①~⑧の中から1つだけ選びなさい。
ア:頭痛、肩こり、動機・息切れ、胃痛、便秘・下痢、食欲低下、疲労感、不眠といった「身体面の反応」。
イ:不安、イライラ、恐怖、落ち込み、緊張、怒り等の感情の発生、集中困難、思考力低下、短期記憶喪失、判断・決断力低下などの心理的機能の障害といった「心理面の反応」。
ウ:心理的負荷がかかる極度の長時間労働を行ったことに伴う割増賃金の支給による収入の増加といった「経済面の反応」。
エ:飲酒・喫煙の量の増加、遅刻・欠勤の増加、仕事上のミスや事故の増加、攻撃的行動、引きこもり、孤立、ストレス場面からの回避行動といった「行動面の反応」。

  • ①ア〇イ〇ウ〇エ〇
  • ②ア〇イ〇ウ〇エ×
  • ③ア〇イ〇ウ×エ〇
  • ④ア〇イ×ウ×エ〇
  • ⑤ア×イ〇ウ〇エ×
  • ⑥ア×イ〇ウ×エ〇
  • ⑦ア×イ×ウ〇エ×
  • ⑧ア×イ×ウ×エ×

正解!

不正解...

正解は③ア〇イ〇ウ×エ〇です。

ウについて、割増賃金の支給による収入の増加といった「経済面の反応」は、ストレッサーに対応しようとする生体の反応(ストレス反応)として生じる変化とはいえない。
(第13章第3節参照)


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<第31問(3点)>

内閣府「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」(以下、「憲章」という)は、「仕事と生活の調和が実現した社会の姿」として目指すべき社会を3つ挙げている。
企業とそこで働く者は、協調して生産性の向上に努めつつ、職場の意識や職場風土との改革とあわせ働き方の改革に自主的に取り組むことが求められる。
次のア~ウの記述のうち、憲章において「仕事と生活の調和が実現した社会の姿」として目指すべき社会に適合するものを〇、適合しないものを×とした場合の組み合わせを①~⑧の中から1つだけ選びなさい。
ア:多様な働き方・生き方が選択できる社会
イ:資産の運用による経済的自立が可能な社会
ウ:健康で豊かな生活のための資金が確保できる社会

  • ア〇イ〇ウ〇
  • ア〇イ〇ウ×
  • ア〇イ×ウ×
  • ア×イ〇ウ〇
  • ア×イ×ウ〇
  • ア×イ×ウ×

正解!

不正解...

正解はア〇イ×ウ×です。

「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」は、仕事と生活の調和が実現した社会とは、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」であるとし、具体的には、以下のような社会を目指すべきとしている。
ⅰ)就労による経済的自立が可能な社会
ⅱ)健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
ⅲ)多様な働き方・生き方が選択できる社会
(第13章第4節参照)


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<第32問(2点)>

X社では、開発途上地域等への国際貢献の一環として、外国人技能実習制度を採り入れ、自社において外国人の労働者を一定期間技能実習生として雇用し、自社で培われた技能や技術、知識の開発途上地域等への移転を図り、当該開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することが大切であると認識している。
X社総務課では、外国人技能実習制度の導入を検討するにあたり、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(以下、「技能実習法」という)について研修会を実施した。
次のア~ウの記述は、当該研修会での発言の一部である。
これらア~ウの発言について、その内容が適切であれば①を、適切でなければ②を選びなさい。
ア:「労働力不足が深刻な問題となっている現代の労働市場において、企業は、技能実習法上の技能実習を、労働力の需給の調整の有効な手段として活用することができます。」
イ:「外国人技能実習生(以下、「技能実習生」という)が日本に入国し滞在するためには、出入国管理及び難民認定法上の旅券(以下、「パスポート」という)の取得が条件であり、パスポートを紛失すると出国が認められないなどの不利益が生じます。
そこで、技能実習法上、パスポートの紛失のリスクを回避するため、技能実習を行わせる者は、自ら技能実習生のパスポートを保管しなければならず、技能実習生地震に保管させてはなりません。」
ウ:「技能実習法上、技能実習は、技能等の適正な習得、習熟または熟達のために整備され、かつ、技能実習生が技能実習に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行われなければなりません。」

  • ア①イ①ウ①
  • ア①イ②ウ①
  • ア②イ②ウ②
  • ア②イ②ウ①

正解!

不正解...

正解はア②イ②ウ①です。

アについて、技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならないとされている(技能実習法3条2項)。
イについて、技能実習を行わせる者は、技能実習生のパスポートを保管してはならず、また、技能実習生の外出その他の私生活の自由を不当に制限してはならないとされている(技能実習法48条)。
(第13章第1節参照)


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<第33問(3点)>

製造業を営むA社は、自社製品の製造に関し、ヒューマンエラーの発生を防止するための対策についての検討会を実施した。
次の①~④の記述は、当該検討会において参加者から提案された実施事項や注意事項の一部である。
これらの事項のうち、ヒューマンエラーの防止対策として最も適切でないものを1つだけ選びなさい。

  • ①色のついたカードを作業工程表に置くことにより、作業経過を明確にし、作業の進捗状況を把握しやすくする。
  • ②作業従事者の間での伝達事項は、文書を用いて伝達することとし、文書を用いて伝達するに際し、伝達者が文書の記載内容を口頭で読み上げ、被伝達者も当該内容を復唱する。
  • ③随時、作業手順の見直しを行い、作業を補助するツールを導入したり、不要な作業を廃止すること等により、可能な限り、作業を簡易化するための措置を講じる。
  • ④作業従事者全員が安心して業務に取り組める職場を構築する観点から、業務を遂行する中で不安全行動・不安全状態に気付いた場合であっても、ほかの作業従事者に心配を掛けないように自分一人の心に収めておく。

正解!

不正解...

正解は④作業従事者全員が安心して業務に取り組める職場を構築する観点から、業務を遂行する中で不安全行動・不安全状態に気付いた場合であっても、ほかの作業従事者に心配を掛けないように自分一人の心に収めておく。です。

④の不安全行動・不安全状態が事故につながることを防止する観点からも、不安全行動・不安全状態に気付いた状況、その原因などを組織・チーム内で話し合い、状況や原因等に応じた予防策・対応策を検討するなど、組織・チーム内で共有化することが大切である。
(第14章第1節参照)


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<第34問(3点)>

ファミリーレストランチェーンの経営を主たる業務とするA社の企画調査課長Xは、A社の運営するファミリーレストランP店の店長Yから、次の内容の報告およびその対応についての相談を受けた。

P店にZという人物が来店し、「同和問題を解決するために寄付を募っているので、ご協力をお願いしたい」との要求があった。

企画調査課において、Zに関し調査したところ、Zはいわゆるえせ同和行為(同和問題の解決に寄与しているかのように装って、企業・個人などに不当な利益や義務のないことを要求する行為)を生業としていることが判明した。
Xは、えせ同和への対応方法を平成31年4月に法務省人権擁護局が公表した「えせ同和行為対応の手引」に沿って検討することとした。
えせ同和行為に対しA社がとるべき具体的対応に関する次の①~⑦の記述のうち、えせ同和行為対応の手引きに照らし、その内容が最も適切でないものを1つだけ選びなさい。

  • ①相手方の氏名、所属団体、所在(場合により電話番号)等を確認する。他人の代理人と称する場合には、その関係、委任の事実も確認する。
  • ②対応は、必ず2名以上で行う。
  • ③相手の話はよく聞き、その趣旨、目的を明確にしておく。
  • ④おびえず、慌てず、ゆっくりと応対し、無礼な態度を見せないよう注意する。
  • ⑤相手方の挑発に乗ってはいけないが、相手方を挑発して相手方の平常心を乱す行為は行うべきである。
  • ⑥話の内容は、面接の場合でも電話の場合でも、できるだけ録音するか、または詳細に記録をとる。関連していると思われる無言電話も、その時間、状況等を記録する。
  • ⑦特別の事情がない限り、自ら相手方に電話をしないようにする。また、その約束もしてはいけない。

正解!

不正解...

正解は⑤相手方の挑発に乗ってはいけないが、相手方を挑発して相手方の平常心を乱す行為は行うべきである。です。

⑤について、えせ同和行為対応の手引では、「相手方の挑発に乗ってはいけない。まして、相手方を挑発してはいけない」とする旨が記載されている。
(第14章第4節参照)


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<第35問(2点)>

食品メーカーであるA社は、インターネット上の自社のホームページ(以下、「HP」という)で自社製品である栄養サプリメント甲を販売している。
この場合に関する次のアおよびイについて、その内容が適切なものには①を、適切でないものには②を選びなさい。
なお、A社によるHPにおける甲の販売は、特定商取引に関する法律(特定商取引法)上の通信販売に該当するものとする。
ア:A社は特定商取引法に基づき、HPにおいて、「甲の購入後は、開封前であっても返品には応じない」旨を明示している。
この場合であっても、特定商取引法上、A社は、甲の売買契約成立時から一定期間内は、その返品の理由の如何にかかわらず、甲を購入した消費者からの返品の求めに応じなければならない。
イ:A社は、HPにおいて、「500グラムで800円」と表示して甲を販売している。
甲は、緩衝材および防湿材とともにプラスチック容器に入れて販売され、購入者に送付される際には包装用段ボールで梱包して発送されている。
HP上の表示である「500グラム」は、甲だけでなく、容器・緩衝材・防湿材・包装用段ボールのすべてを合わせた重量であるが、その旨はHP上では明示されていない。
この場合は、A社の本件表示行為は、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に違反する可能性がある。

  • ア①イ①
  • ア①イ②
  • ア②イ②
  • ア②イ①

正解!

不正解...

正解はア②イ①です。

アについて、特定商取引法上、通信販売において、商品の購入者は、その商品の引き渡しを受けた日から起算して所定の期間を経過するまでの間は、その売買契約の申し込みの撤回等を行うことができるが、事業者が申し込みの撤回等についての特約(返品特約)を広告に表示した場合は、当該返品特約が優先される。
(第12章第4節参照)


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<第36問(過去問)(2点)>

<第37問(3点)>

<第38問(2点)>

<第39問(2点)>

<第40問(2点)>

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