ビジネスマネジャー検定 過去問&問題演習(第3回)

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ビジネスマネジャー検定の問題演習第3回です。

過去問を含む全40問を掲載しています。

正解と思う選択肢をクリックすると解説付きで正誤判定をすることができます。

<第1問(3点)>

経済産業省「SDGs経営ガイド」は、SDGsとESG投資の関係について、「投資家によるESG投資と、民間企業のSDGsへの取り組みは裏表の関係にある」としている。
ESG投資は、国連により機関投資家に対して提唱された「責任投資原則(PRI: Principles for Responsible Investment)において、「ESGの課題を投資分析と意思決定プロセスに組み込むこと」や「投資対象の企業にESGの課題の適切な開示を求めること」とされており、企業が将来にわたって永続的に事業を維持し発展していくためには、機関投資家からESG投資の対象として選択されるよう、その事業活動を推進することが重要であると考えられる。
次の①~④の組み合わせのうち、ESG投資における「E」、「S」、「G」のそれぞれを表す語句の組み合わせとして最も適切なものを1つだけ選びなさい。

  • ①E:「Ecology(自然環境保全)」S:「Sustainability(持続可能性)」G:「Growth(成長)」
  • ②E:「Earth(地球)」S:「Science(科学)」G:「Goals(目標)」
  • ③E:「Ethical(倫理的)」S:「Save(救済)」G:「Global(地球規模)」
  • ④E:「Environment(環境)」S:「Social(社会)」G:「Governance(ガバナンス)」

正解!

不正解...

正解は④E:「Environment(環境)」S:「Social(社会)」G:「Governance(ガバナンス)」です。

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<第2問(2点)>

X社営業部のマネジャーAの部下であるBは、仕事に対する意欲も仕事のスキルも高い水準に達しており、日常業務においてAを補佐する存在である。
Aは、Bを新たなマネジャーとして育成する観点から、Bの対人コミュニケーションの傾向を把握するため、エゴグラム(John Dusay)を活用して分析したところ、「NP(Nurturing Parent)」が優勢な状態」という結果を得た。
AがBを新たなマネジャーとして育成するにあたり留意すべき事項に関する次の①~⑤の記述のうち、エゴグラムの観点に照らし、その内容が最も適切なものを1つだけ選びなさい。
①「NP」は、直感力、創造性、表現力のあるタイプであり、感情の自由な表現、健康的で活動的といった傾向があるとされる。
Aは、Bを新たなマネジャーとして育成するにあたり、Bが、他人との接し方等においてわがままになったり自己中心的となったりすることがあり得ることに留意することが大切である。
②「NP」は、リーダー的な性格であり、正義感、責任感のあるタイプとされる。
Aは、Bを新たなマネジャーとして育成するにあたり、Bが他人への接し方等において「~では駄目だ」という批判的な態度をとることがあり得ることに留意することが大切である。
③「NP」は、優しさ、寛容性のあるタイプであり、面倒見の良い性格、親切心を有し、他人への接し方において思いやりや温かみのある許容的・保護的な態度を示す傾向があるとされる。
Aは、Bを新たなマネジャーとして育成するにあたり、Bが他人への接し方等において他人に干渉しすぎたりおせっかいをやきすぎたりすることがあり得ることに留意することが大切である。
④「NP」は、論理性、理性、現実志向性のあるタイプであり、理性的な性格、優れた判断力、落ち着き、自信を有し、客観的事実を重視し、自分の感情を適切に制御できるといった傾向があるとされる。
Aは、Bを新たなマネジャーとして育成するにあたり、Bが他人への接し方等において打算的で、冷たいという印象を与えることがあり得ることに留意することが大切である。

正解!

不正解...

正解はです。

①について、直感力、創造性、表現力のあるタイプであり、感情の自由な表現、健康的で活動的といった傾向があるとされるのは、「FC (Free Child)」である。
②について、リーダー的な性格であり、正義感、責任感のあるタイプとされるのは「CP (Controlling (Critical) Parent」である。
③について、素直で従順、忍耐力のあるタイプであり、協調性が高く、受け身的で、行儀よくふるまい、絶えず周囲に気兼ねし、その期待に応えようと努力する傾向があるとされるのは「AC (Adapted Child)」である。
③について、論理性、理性、現実志向性のあるタイプであり、理性的な性格、優れた判断力、落ち着き、自信を有し、客観的事実を重視し、自分の感情を適切に制御できるといった傾向があるとされるのは、「A (Adult)」である。
(第3章第3節参照)


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<第3問(過去問)(3点)>

A社では、同社内の会議運営の非効率性が問題として提起され、次のような事項が「会議運営に関する問題点」として挙げられた。

<会議運営に関する問題点>
a. 会議の開始直後などにおいて、誰も発言をしない時間が長く非効率であると感じることがある。
b. 発言する者が限られており、会議中に一度も発言をしない参加者がいる。
c. 会議の目的が不明確であり、同じ議論が何度も蒸し返されていつ会議が終わるかわからない。
d. 最終的には役職上位者の意見が採用されることが多く、会議に参加したメンバーの議論をする意欲が低下しがちである。

A社の総務課では、「会議運営に関する問題点」を解決し会議の生産性を高めるための手法について検討がなされた。
次のア~エの記述は、当該検討において上記a~dの問題点に関してなされた発言の一部である。
これらの発言のうち、その内容が適切なものを〇、適切でないものを×とした場合の組み合わせを①~⑧の中から1つだけ選びなさい。

ア:「問題点aのような問題が生じる背景の1つとして、一般に、日常的に交流する機会のないメンバーが集まる会議の開始直後などにおいて、会議に参加したメンバーが相互にほかのメンバーの様子を窺って発言に消極的になるといった心理があると思われます。
このような場合に、会議を円滑に進めるための手法として「アイスブレイク」を挙げることができます。
アイスブレイクは、コミュニケーションを図りやすい雰囲気をつくり積極的な意見・発言ができるようにするために、メンバーの緊張をほぐし気持ちを和らげる手法です。」
イ:「問題点bに関し、会議に参加しているのに初辺に消極的なメンバーの存在は、会議の活発な進行の弊害となります。
したがって、積極的に発言しようとしない参加者については、たとえその表情や雰囲気から議論の流れに不満であったり、何か発言したそうな様子であっても、会議に参加する意欲がない者として会議から退席させるようにします。
こうすることで、参加意欲の高い参加者のみにより効率的かつ活発な会議運営が図られます。」
ウ:「問題点cへの対応策として、会議の目的を明確に示すことが重要です。
あわせて、会議で求められる成果を定め、それを会議に参加するメンバーに周知することが必要です。
また、会議の効率性の観点から、会議は開始時刻と終了時刻を厳守することを原則とすることが重要です。」
エ:「問題点dへの対応策としては、例えば、ファシリテーター、すなわち会議の中立的な進行・推進役が、その役割に従って議事を進めていくことが挙げられます。
ファシリテーターは、発言者すなわち『「誰」が述べたか」よりも、発言の内容すなわち『「何」について述べられたか』を重視し、職位の上下にかかわらず、建設的な意見を採用する必要があります。

  • ①ア〇イ〇ウ〇エ〇
  • ②ア〇イ×ウ〇エ〇
  • ③ア〇イ×ウ×エ〇
  • ④ア〇イ×ウ×エ×
  • ⑤ア×イ〇ウ〇エ〇
  • ⑥ア×イ〇ウ×エ×
  • ⑦ア×イ×ウ〇エ〇
  • ⑧ア×イ×ウ×エ×

正解!

不正解...

正解は②ア〇イ×ウ〇エ〇です。

イについて、会議に参加しているのに発言に消極的であるからといって、発言に消極的なメンバーの存在が、必ずしも会議の活発な進行の弊害となるわけではない。
そして、そうしたメンバーを会議に参加する意欲がない者として会議から退席させるべきではない。
積極的に発言しようとしないメンバーが、その表情や雰囲気から議論の流れに不満であったり、何か発言したそうな様子である場合、その様子に気づき、発言しやすい状況を工夫して発言等を促すことなどが重要である。
(第3章第2節参照)


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<第4問(2点)>

Xがマネジャーを務めるA社の営業企画課には、本年度の新規卒業者として入社したYが配属されている。
Yは、業務経験が乏しく、まだ業務内容に対する知識が少ない。
また、仕事に対するYの意欲が高いか低いかについても、まだ不明確な状況にある段階である。
Xは、Yを育成するにあたり、SL理論(Situational Leadership Theory, Paul Hersey&Ken Blanchard)に基づき、Uの仕事に対する意欲や責任感、経験などによる成熟度に応じ、有効なリーダーシップを発揮したいと考えている。
この場合に、XがYに対してとるべきリーダーシップ・スタイルに関する記述として、その内容が最も適切なものを①~④の中から1つだけ選びなさい。

①業務に関し、何を、いつ、どのように、どこで行うかについては、Xが主導して具体的な指示をする。
また、営業企画課におけるYの役割などは、Xが決定するといったリーダーシップ・スタイルをとる。
②Yに指示をする際には「一度しか言わないから一言も聞き漏らさないように」と厳しく注意を促し、指示の内容を聞き漏らした場合、Yからの質問には答えないといったリーダーシップ・スタイルをとる。
③Yに目標を指示したらそれをどのように達成するかなどはYに委任し、業務の進捗状況等については、必要な範囲で報告させるにとどめるなど、もっぱら目標設定と成果の確認を行うといったリーダーシップ・スタイルをとる。
④仕事の方向性等について細かな指示を行うことは避け、Yの能力を認めてその意見を聴き、Xが業務に関し意思決定をするに際し、その意思決定にYの意見の内容をすべて反映させるといったリーダーシップ・スタイルをとる。

正解!

不正解...

正解はです。

本問のYは、業務経験が乏しく、まだ業務内容に対する知識が少ない。
また、仕事に対するYの意欲が高いか低いかについても、まだ不明確な状況にある段階である。
SL理論に照らせば、このような状況にあるYに対し、Xは、業務に関し、何を、いつ、どのように、どこで行うかについては、Xが主導して具体的な指示をし、営業企画課におけるYの役割などは、Xga決定するといったリーダーシップ・スタイルをとることが考えられる。
(第4章第3節参照)


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<第6問(2点)>

「XY理論」(Douglas McGregor)に関する次の①~④の記述のうち、その内容が最も適切なものを1つだけ選びなさい。

①X理論に基づくマネジメントスタイルでは、マネジャーが、部下の仕事を詳細に規定して統制し、常時密接に部下を監督しなければならず、部下を動機付けるために懲罰をもって脅したり昇給を約束する必要がある。
生理的欲求や安全・安定への欲求といった、欲求段階説(Abraham Maslow)における低次の欲求が満たされている部下ほど、X理論に基づくマネジメントスタイルの下でモチベーションが高まる。
②Y理論に基づくマネジメントスタイルでは、部下にとって魅力ある目標と責任を与え続けることによって部下を動機づける手法がとられる。
また、マネジャーは、個人の欲求や目標を、チームの目標と関連付け調和させる必要性から、部下に対しその目標をチームの目標と適合するように変更することを強要する結果、マネジャーと部下との間に、より強力な支配関係がもたらされる。
③Y理論に基づくマネジメントにおいては、マネジャーが部下に成果等を期待することにより、部下はさらに期待に応えようと自発的に努力するという効果であるゴーレム効果が生じる。
④欲求段階説における高次の欲求が顕現しているものでも、状況によっては低次の欲求にこだわる場面もあり得る。
したがって、マネジャーは、部下の成熟度や部下のその時点での課題、また職場や職種の性質上、X理論に基づくマネジメントスタイルを必要とする場面にも遭遇し得ることを忘れてはならない。

正解!

不正解...

正解はです。

①について、X理論における人間の性質と行動は、マズローの欲求段階説における物質的欲求(生理的欲求や安全・安定を求める欲求といった相対的に低次の欲求)を比較的多く持つ人間をモデルとしているとされ、生理的欲求や安全・安定への欲求が満たされているときは、対象となる部下の欲求と適合せず、モチベーション効果は期待できないと考えられる。
②について、Y理論に基づくマネジメントスタイルは、個人の欲求や目標をチームの目標と適合するように変更することを強要するものではない。
③について、部下に期待することにより、部下はさらに期待に応えようと努力するという効果を、一般にピグマリオン効果という。
(第4章第4節参照)


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<第7問(3点)>

X社の経営企画課では、業務が急激に増加し多忙を極め、経営企画課の課長あるA自身も業務に忙殺され、家内の部下とのコミュニケーションがうまく図れていないのではないかと感じている。
そこでAは、部下との間のコミュニケーションを図る上で留意すべき点を改めて整理してみることにした。
次の①~④の記述は、Aが整理したコミュニケーションを図る上で留意すべき事項の一部である。
これらの記述のうち、その内容が最も適切でないものを1つだけ選びなさい。

①自分の話を相手が黙って聞いてくれるので自分は話上手だと思っていないか。
人は、相手の話の内容がわからなくなったり、興味が持てなくなったりすると、沈黙する傾向がある。
とくに、立場に違いがある場合、立場の弱い人は、発言者の意見に質問や反論もできず沈黙をするしかないことがある。
相手が、自分の話に対して適度に質問をしたり、意見を述べたりすることができているかどうかを見極めることが大切である。
②発言者から意見を求められたとき、賛否だけを言ったり、「とくに意見はない」と答えたりしていないか。
発言者は、自分の話す内容が相手に理解されているか、話の本筋から外れていないか気になるものである。
そのとき、質問に対して単に「賛成」「反対」「特になし」とだけ答えるのではなく、適切なコミュニケーションを成立させるためには、具体的に発言内容を指摘しつつ、補足質問や自分の意見を言うことが大切である。
③人と話をするとき、同じ日本語という共通言語で話をしているのだから、相手は自分の説明内容を基本的に理解してくれていると思っていないか。
気を付けなければならないことの1つに、経験の違いにより話の理解度は大きく左右されるということがある。
共通言語を用いていても、自分が説明しようとしている内容の正確な理解ができているとは限らない。
話の途中で適度に問いかけることにより、相手の理解度を判断しながら、具体例を入れたり、わかりやすい言葉を選んだりして話を進めるようにすることが望ましい。
④あらかじめ相手が自分の主張と異なる意見を主張することが分かっている場合に、当該相手に自由に発言させてしまっていないか。
コミュニケーションにおいて、相手の意見を最後まで聞くことは、その意見に賛同したことを意味する。
したがって、相手の意見が明らかに自分の意見と異なることがあらかじめわかっている場合、相手の意見に賛同したととらえられないようにするため、即座に相手の話をさえぎって自分の意見を主張し、結論を先に述べなければならない。

正解!

不正解...

正解はです。

④について、相手の発言を途中でさえぎって自分の意見を一方的に述べることは、発言者に不快の念を生じさせ、相手とのコミュニケーションが失敗するおそれが大きい。
(第3章第1節参照)


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<第8問(3点)>

甲社営業部のマネジャーAには、その業務のマネジメントにおいて、その部下である営業部員に対しリーダーシップを発揮する際に、次のような傾向が認められる(以下、「Aのリーダーシップの傾向」という)。

Aは、校舎全体として達成すべき目標を理解した上で、営業部が果たす役割や達成すべき目標を明確に理解し、これを達成するために綿密な計画を立て、部下に対する緻密な管理、指示・指導を徹底し、営業部の目標を達成することができている。
しかし、目標達成に専心するあまり、営業成績の高い一部の部下を重視してその意見を尊重する一方で、ほかの部下に対しては、その意見を聴き入れず、Aの指示に沿った行動の徹底のみを要求するため、部下の間にAに対する抵抗感や人間関係の対立が生じ、営業部全体のモチベーションが低下している。

Aのリーダーシップの傾向を「PM理論」(三隅二不二)に基づき分析した場合のAのリーダシップのタイプとして最も適切なものを①~④の中から1つだけ選びなさい。

  • ①PM型
  • ②Pm型
  • ③pM型
  • ④pm型

正解!

不正解...

正解は②Pm型です。

PM理論では、リーダシップを目標設定や計画立案、メンバーへの指示などにより目標を達成する能力であるP機能(Performance function「目標達成機能」)と集団における人間関係を良好に保ち、チームワークを維持・強化する能力であるM機能(Maintenance function「集団維持機能」)で構成されるものと捉え、これら「P」と「M」の2つの能力要素の強弱によって、リーダーシップのタイプを4類型(PM型、Pm型、pM型、pm型)に分類する。
本問いにおけるAのリーダーシップの傾向は、明確に掲げた目標達成に熱心で部下に対する厳しい指導もいとわず成果をあげる能力はある(Pが大きい)が、部下に対する配慮は示さず集団をまとめる力が弱い(Mが小さい)。
すなわち、上記4類型のうち、成果はあげるが人望がないPm型に当たると考えられる。
(第4章第3節参照)


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<第9問(2点)>

X社の総務課長Aは、同課係長であるBとの間で、チームメンバーのモチベーションを高める様々な方策を検討した。
次の記述は、AがBに対し、「チームメンバーがそれぞれどのような欲求を有しているかを見極め、その欲求に応じた動機づけを行うことを考えています。
このような場合に参考になる考え方はありますか」と質問した際のBの回答である。
この回答の内容が適切であれば①を、適切でなければ②を選びなさい。

「欲求段階説(Abraham Maslow)を参考とすることが考えられます。
欲求段階説は、人間の欲求を『達成欲求』、『親和欲求』、『権力欲求』に区別し、達成欲求が強い人は、何事も自ら行い、その努力により目標を達成するよう行動することを好み、親和欲求が強い人は、人間関係を重視する傾向が強く、権力欲求が強い人は、他人に影響を与えたいという欲求が強く、規律や統制が行き届いた雰囲気を好む傾向が強いとだれています。
チームメンバーのモチベーションを高めるためには、個々のチームメンバーが、それぞれ『達成欲求』、『親和欲求』、『権力欲求』のうちのいずれを持っているのかを見極め、それに応じた環境や条件を整えることが重要と考えます。」

正解!

不正解...

正解はです。

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<第10問(3点)>

マネジャーが、集団としての自チームをマネジメントするにあたって留意すべき事項についての次のアおよびイに関する①~④の記述のうち、その内容が最も適切なものを1つだけ選びなさい。

ア:マネジャーは、チームをマネジメントするにあたり、集団を結成することにより期待できる心理効果であるリンゲルマン効果を有効に活かすことが重要である。
リンゲルマン効果は、メンバーが単独で作業をするよりも集団で作業をする方が1人当たりの作業量は向上し、集団における協同作業においては、集団の人数が増えるほどその構成員1人当たりの作業量は向上するという現象をいい、「協同による相乗効果」や「社会的勤勉」とも呼ばれる。
イ:チームとしての意思決定をするために会議を実施し複数のメンバーで討論をするに際し、メンバーが討論前に有していた判断、感情または行動傾向が、会議での議論や討論を経ることによって、より危険性の高い方向に傾いて行ったり、逆に慎重な方向に傾いていくことがある。
このような現象は、心理学において「集団極性化」と呼ばれる。

  • ①アおよびイのいずれも適切である
  • ②アのみが適切である。
  • ③イのみが適切である。
  • ④アおよびイのいずれも適切でない。

正解!

不正解...

正解は③イのみが適切である。です。

アについて、リンゲルマン効果は、「社会的手抜き」や「社会的怠惰」とも呼ばれ、メンバーが単独で作業をするよりも集団で作業をする方が1人当たりの作業量が低下する現象を指す。
(第7章第1節参照)


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<第11問(2点)>

X社の人事部では、同社の人事考課制度の適切な構築およびその効果k的な運営を図ることを目的とした検討会を実施した。
次のア~エの記述は、当該検討会において、人事部員からなされた発言の一部である。
これらの発言のうち、人事考課制度の適切な運営の観点から適切なものの組み合わせを①~⑥の中から1つだけ選びなさい。

ア:「人事考課を行うマネジャーは、人事考課における評価基準を部下に明示し、業務上どのような行動が求められているのかを部下に理解させることが重要です。
部下は、自己がどのような基準で評価されるのかを理解することにより、なすべき行動を把握することができます。」
イ:「マネジャーは、部下の弱みよりも強みに目を向けるべきです。
人事考課においてマネジャーが部下を評価する際には、部下の長所を伸ばすことにより短所を補うという観点から、部下の望ましい点や長所をなるべく多く取り上げてそれらを高く評価し、望ましくない点や短所は指摘せず、評価基準に達していない項目についても実際の評価よりも高めの評価をするべきです。
部下に対し、このような配慮をすることにより、マネジャーと部下との間により良い信頼関係を築くことができます。」
ウ:「被考課者に関する既存の人事記録や、被考課者の同僚や元上司などからの評価資料は、人事考課にあたっての資料の1つであって、判断の手がかりとして参考にすることはできますが。これらの資料をそのままマネジャー自身の確定した評価とすべきではありません。
マネジャーは、自ら責任をもって部下を評価するという姿勢が大切であり、マネジャー自身が部下を観察し、部下とコミュニケーションを図っていく中で、部下に対する評価を積み上げていくことが大切です。」
エ:「人事考課における評価項目の候補として、仕事の質と量、目標の達成度、難易度、業績貢献度などが考えられます。
ただし、人事考課における評価基準は、公平性・明確性の観点から、必ず数値化・定量化が可能な指標である必要があります。
したがって、人事考課において実際に使用する評価項目は、さまざまに考えられる評価項目の候補のうち、業務量や目標に対する達成度など数値化・定量化が可能な指標のみを採用すべきであり、業務に対する誠実さや熱意といった数値化・定量化が困難な指標は、人事考課における評価項目としてはなりません。」

  • ①アイ
  • ②アウ
  • ③アエ
  • ④イウ
  • ⑤イエ
  • ⑥ウエ

正解!

不正解...

正解は②アウです。

イについて、人事考課は、組織における人材一人ひとりについて、その業務実績や遂行能力・態度・行動を適正に評価することにより、配置や昇進・昇格、給与など、公正に処遇することなどを目的に実施されるのが通常である。したがって、人事考課においてマネジャーが部下を評価する際には、部下の望ましい点や長所だけでなく、望ましくない点や端緒についても適正に評価する必要がある。
エについて、人事考課における評価基準は、必ずしも数値化・定量化が可能な指標である必要はない。
ただし、業務に対する誠実さや熱意等といった数値化・定量化が困難な指標については、とるべき手続や達成すべき実施課題等を具体的に定め、満たすべき要件、水準を明確にすることが重要である。
(第7章第1節参照)


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<第12問(3点)>

A社の総務課長Xは、新規に総務部に配属された、業務経験の少ない部下を育成するにあたり、OJT(On the Job Training)とOFF-JT(OFF the Job Training)の手法の特徴を生かし、これらを効果的に組み合わせて部下の育成をすることを検討した、
次のア~オの事項は、当該検討の中で、Xが列挙したOJTとOFF-JTの特徴の一部である、
これらの事項を、OJTに関する事項とOFF-JTに関する事項に分類した場合の組み合わせを①~⑦の中から1つだけ選びなさい。

ア:通常業務とは直接かかわりのない知識やスキルを、理論を踏まえ体系的に効率的に学習できる。
イ:実際の仕事そのものが教材となるので、実務に直結しており、その成果は実践的なものとなることが期待できる。
ウ:仕事を通して必要な知識・技能などを指導し育成する手法であるため、仕事のプロセスと一体化した指導を実施することができる。
エ:実際に担当している業務について具体的に指導するためには、部下に教示できるよう当該業務を十分に理解しておく必要があるため、指導者は、当該業務を再確認等することにより、当該業務に対する理解度が向上する。
オ:業務に関する指導をするために、あらかじめ設定した時間に、特定の施設に多数の部下を集合させて指導をすることができるため、多数の部下に同時に同内容の知識や技能を習得させることができる。

第12問の例図

<第13問(2点)>

企業における組織構造の種類の1つであり、次のア~エの特徴をすべて有するものを、①~④の中から1つだけ選びなさい。

ア:一般に、特定の目的を多勢資するために、本来は異なる分野に属する者によって一時的に組織され、その目的を達成すると解散することとなる。
イ:市場動向の劇的な変化に対応することが可能である。
ウ:所属するメンバーは、仕事の全体像と自分の責任を把握しやすいため、それぞれ責任感を持って仕事を進めることが期待できる。
エ:新しい方法やアイデアを受け入れ、事態の変化にも柔軟に適応することが可能である。

  • ①機能別組織
  • ②プロジェクトチーム型組織
  • ③事業部制組織
  • ④ライン型組織

<第14問(2点)>

企業が設定した目標を達成するために、自己が率いるチームを有効に機能させることは、マネジャーの重要な任務の1つである。
マネジャーは、バーナード(Chester Barnard)の組織論を参考にし、自己が率いるチームについて、公式組織(2人以上の人々の意識的に調整された活動や諸力の一体系)が成立するための要素を満たしているかを検証することにより、自己が率いるチームを単なる人間の集団としてではなく、企業の目標を達成するための集団として有効に機能させるのに役立てることができる。
次のア~オのうち、バーナードの組織論において、公式組織が成立するための要素とされているものの個数を①~⑥の中から1つだけ選びなさい。

ア:経済的価値
イ:コミュニケーション
ウ:イノベーション
エ:協同意欲(貢献意欲)
オ:共通目的

  • ①0個
  • ②1個
  • ③2個
  • ④3個
  • ⑤4個
  • ⑥5個

正解!

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正解は④3個です。

バーナードの組織論において、公式組織が成立するための要素とさているものは、「共通目的」、「協同意欲(貢献意欲)」および「コミュニケーション」である。
(第7章第3節参照)


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<第15問(過去問)(2点)>

「リソース・ベースト・ビュー (Resource-Based View)」(Jay Barney)は、企業が自社の経営資源の持つ強みの質や競争優位性を明確にすることで、競争優位性の維持や強化、市場シェアの拡大、顧客満足度の向上などを図るために用いられる経営戦略論であり、そのフレームワークとしてVRIO分析がある。
マネジャーは、自社の課題や特徴を把握して、経営戦略の立案、自社の強みや弱みおよび他社に対する優位性の発見などにVRIO分析を活用することができる。
VRIO分析に関する次の①~④の記述のうち、その内容が最も適切でないものを1つだけ選びなさい。

①VRIO分析における「V」は、Value(経済的価値)を表す。
ここでは、経営資源に経済的価値があるか、すなわち、その経営資源を活用することにより外部環境における機会を適切にとらえることができるか、あるいは外部環境における脅威を無力化することができるか、といった観点で評価を行う。
②VRIO分析における「R」は、Rarity(希少性)を表し、経営資源がどの程度希少であるかを評価する。
経営資源が希少であれば、その経営資源は、厳しい市場経済においてその経営資源を持つ起票の競争優位の源泉となり得る。
したがって、経営資源の希少性は、企業が市場における競争優位を獲得するための重要な評価指標である。
③VRIO分析における「I」は、Innovative(革新性)を表し、経営資源が競合他社の追随を許さない革新的な技術や製品を生み出す力を有しているかを評価する。
革新的な技術や製品を生み出す力を持つ経営資源を保有することができれば、業界における競争優位性を永続的に維持することが可能となる。
④VRIO分析における「O」は、Organization(組織)を表し、VRIO分析の調整項目として機能する。
例えば、企業は「V」、「R」、「I」を有する経営資源を保有していても、その企業がその経営資源を最大限に活用できるように組織されていなければ、その経営資源が有する競争優位の可能性を十分に発揮させることが困難となり得る。

正解!

不正解...

正解はです。

③について、VRIO分析における「I」は、Imitability(模倣困難性)を表し、経営資源が他社によって模倣されやすいか、あるいは模倣されにくいかを分析する要素である。
経営資源が競合他社に模倣されにくければ市場での競争優位性を保ちやすいため、経営資源が模倣困難であるほど、市場において競争優位性を維持し続けることができる可能性が高まる。
(第8章第3節参照)


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<第16問(2点)>

競争地位戦略(Philip Kotler)は、業界内における地位に応じて、そのとるべき戦略目標を提示するものである。
競争地位戦略における「フォロワー」の戦略に関する説明として最も適切なものを次の①~④の中から1つだけ選びなさい。

①市場シェアにおいて自社よりも上位の企業がまねのできない差別化された製品・サービスを開発して市場に投入し、市場シェア拡大を目指す。
②限定的な市場を対象として、独自の技術やブランドという強みを最大限生かしながら、特化した市場において確固たるシェアの獲得を目指す。
③多大な投資を要する独自製品の開発をすることなく、市場シェアにおいて自社生産して市場に投入することで利益の確保を目指す。
④同業他社が優れた製品を開発し販売した場合には、すぐに同様の製品を開発し市場に投入して利益を奪われないようにする。

正解!

不正解...

正解はです。

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<第17問(3点)>

SWOT分析は、事業運営に関する要素を、「強み(Strengths)」、「弱み(Weaknesses)」、「機会(Opportunities)」および「脅威(Threats)」に分類してそれぞれの要素を洗い出し、事業の方向性や経営資源を投入すべき事業などの決定に役立てることができるフレームワークである。
SWOT分析における検討要因の1つである「強み(Strengths)」に関する説明として最も適切なものを次の①~④の中から1つだけ選びなさい。

  • ①組織の外部環境である政治状況や法制度・経済情勢・社会環境や一般消費者の動向・技術に関する状況に加え、競合他社や市場の動向などについて、組織の目標に対する外部的に有利な状況をいう。
  • ②その組織の競合他社との関係で自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の優劣を評価するものであり、ほかの組織との関係でその組織の有利な特質をいう。
  • ③組織の内部環境に関すること(内的要因)であり、ほかの組織との関係でその組織の不利な特質をいう。
  • ④組織の外部環境である政治状況や法制度・経済情勢・社会環境や一般消費者の動向・技術に関する状況に加え、競合他社や市場の動向などについて、組織の目標に対する外部的に不利な状況をいう。

正解!

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正解は②その組織の競合他社との関係で自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の優劣を評価するものであり、ほかの組織との関係でその組織の有利な特質をいう。です。

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<第18問(3点)>

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(Product Portfolio Management: PPM)は、市場成長率と市場シェアを縦と横の軸として4つの象限に区分し、それらの相対的な位置づけに応じて、事業等を花形(Star)、金のなる木(Cash Cow)、問題児(Question Mark)、負け犬(Dog)に分類して、とるべき戦略を検討する。
次の①~④の記述のうち、PPMにおける「金のなる木」の戦略として最も適切なものを1つだけ選びなさい。

  • ①市場の成長が見込まれているが市場シェアが相対的に低い製品であるため、市場シェアを高める目的で、製造コストを著しく下回る廉価での販売を継続することにより、競合他社の販売活動を困難にして市場から排除する。
  • ②これまでに投資したコストをすべて回収するまでは市場への製品の供給を継続し、コストの回収が完了した後に、市場から撤退する。
  • ③優位な市場シェアを獲得しているため、これに該当する製品を製造するための資材の供給業者に対し、自社の競合企業には同種の製品を製造するための資材を供給しないように圧力をかける。
  • ④ここで得た資金を、成長市場でありながら市場シェアの低いほかの製品に投資してこれを育成するか、市場シェアが優位にあり市場の成長も見込まれる製品に投資するための資金源とする。

正解!

不正解...

正解は④ここで得た資金を、成長市場でありながら市場シェアの低いほかの製品に投資してこれを育成するか、市場シェアが優位にあり市場の成長も見込まれる製品に投資するための資金源とする。です。

「花形(Star)」については。「市場占有率と売上を拡大するため、この事業に積極的に投資をしていく」、問題児(Question Mark)については、「市場の成長を見込んでこの事業に積極的に投資をするか、市場の成長が鈍化する前にこの事業から撤退するかを検討する」、「負け犬(Dog)」については、「将来性が低いことから、この事業からの撤退を検討する」等といった戦略が、それぞれ考えられる。
(第8章第3節参照)


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<第19問(過去問)(2点)>

イノベーター理論(Everett Rogers)では、イノベーションによって生み出された製品・サービスに対する購買行動の特徴から、消費者を5つのタイプに分類している。
イノベーションを普及させるにあたり、これら5つのタイプに分類された消費者のそれぞれの特徴に応じたマーケティングを実践することが有用と考えられる。
企業は、自社の開発した新商品が、ライフサイクルのどの時点でいずれのタイプの消費者に受け入れられやすいかを知ること等、様々な局面においてイノベーター理論を活用することができる。
イノベーター理論により分類される消費者のタイプの1つである「アーリー・マジョリティ(Early Majority:前期追随者)」に関する次のア~エの記述のうち、その内容が適切なものの組み合わせを①~⑥の中から1つだけ選びなさい。

ア:新製品には興味を持っているが、購入にはやや慎重で、新製品が実用的であるかを重視し、導入事例を確認してから製品を購入するなどの特徴がある。
イ:この層が新製品を購入するのは、市場全体を構成する消費者の過半数が購入した後である。
ウ:ジェフリー・ムーア(Geoffrey Moore)は、新製品を市場に普及させるには、この層に受け入れられるためのマーケティングを積極的に行うことが必要である旨を提唱している。
エ:市場全体の13.5%を構成し、ほかのタイプの消費層に対する影響力を持ち、オピニオン・リーダーシップを有する。

  • ①アイ
  • ②アウ
  • ③アエ
  • ④イウ
  • ⑤イエ
  • ⑥ウエ

正解!

不正解...

正解は②アウです。

イノベーター理論(Everett Rogers)における「アーリー・マジョリティ(Early Majority:前期追随者)」は、新製品を購入するに際し多くの人に利用されているかという実績を重んじ、新製品が市場へ浸透するための媒介層と位置づけられることから、ジェフリー・ムーア(Geoffrey Moore)は新製品を市場に普及させるには、この層に受け入れられるためのマーケティングを積極的に行うことが必要である旨を提唱している。
したがって、アーリー・マジョリティに関する記述として、アおよびウが適切である。
(第11章第2節参照)


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<第20問(2点)>

ジェフリー・ムーア(Geoffrey Moore)は、革新的な製品の普及プロセスにおいて、「キャズム」を超え、初期市場から主流の市場に普及させるためには、製品の普及段階に応じ、マーケティング方法を変える必要があると提唱している。
次の①~④の記述のうち、「キャズム」に関する文章として最も適切なものを1つだけ選びなさい。

  • ①「キャズム」は、イノベーターとアーリー・アダプターの間に位置する。
  • ②「キャズム」は、アーリー・アダプターとアーリー・マジョリティの間に位置する。
  • ③「キャズム」は、アーリー・マジョリティとレイト・マジョリティの間に位置する。
  • ④「キャズム」は、レイト・マジョリティとラガードの間に位置する。

正解!

不正解...

正解は②「キャズム」は、アーリー・アダプターとアーリー・マジョリティの間に位置する。です。

ジェフリー・ムーア(Geoffrey Moore)はアーリー・アダプターとアーリー・マジョリティの間には著しい特徴の違いがあり、アーリー・アダプターを超えてアーリー・マジョリティに普及させる困難さを『溝』になぞらえて『キャズム』と称した。
そして、イノベーター、アーリー・アダプターには好意的に受け入れられていた革新的製品を、キャズムを超えてアーリー・マジョリティに受け入れてもらうためには、導入期とは異なるマーケティング戦略が必要となる旨を提唱した。
(第11章第2節参照)


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<第22問(2点)>

家電製品の製造販売業を営むX社の営業企画部のマネジャーAは、市場・顧客の調査を行ったところ、次の結果を得た。
調査結果1. 「買い物の際にエコバッグを利用したり、室内の照明をLED照明に替える消費者の割合が増加している」
調査結果2.「移動手段として、自家用車の利用を控え、電車やバスなどの公共交通機関や自転車を利用する人が増加している」
調査結果3. 「太陽光発電の電力会社との契約に変更したり、自ら太陽光発電を設置する世帯が増加している」
これらの調査結果をもとにAが論理的思考のうちの帰納法を用いて導いた結論として最も適切なものを次の①~④の中から1つだけ選びなさい。

  • ①生活の様々な分野でIoTが活用されている。
  • ②環境に配慮した製品・サービスが求められる傾向が高まっている。
  • ③当社でもコーポレートガバナンス・コードへの対応が急務である。
  • ④当社が他社に先駆けて開発した、従来の製品を上回る省エネ効果がある冷蔵庫の売り上げ予測の上方修正が必要である。

正解!

不正解...

正解は②環境に配慮した製品・サービスが求められる傾向が高まっている。です。

帰納法とは、個別的・具体的な事象から普遍的・抽象的なルールを見出す推論方法である。
本問で挙げられた調査結果1~3の個別的・具体的な事象から見出される論理的・抽象的なルールとしては、②が最も適切と考えられる。
(第9章第2節参照)


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<第23問(3点)>

X社では、その事業推進のため、政治状況・法制度(Politics)、経済情勢(Economics)、社会環境や一般消費者の動向(Society)および技術に関する状況(Technology)を分析するためのフレームワークであるPEST分析を用いて、自社のビジネスを取り巻くマクロ要因を分析することとした。
次のア~エの記述は、X社において、同社の事業を取り巻くマクロ環境に関する会議でPEST分析における分析対象について検討がなされた際の会議の出席者の発言の一部である。
これらの発言のうち、その内容が適切なものを〇、適切でないものを×とした場合の組み合わせを①~⑧の中から1つだけ選びなさい。

ア:「政治状況・法制度(Politics)は、当社のビジネスに関連する政治や法規制の状況です。
具体的には、政府の政策転換、ビジネスに関連する法律の改正状況、国際政治の状況などです。
例えば、企業活動に対する規制法である独占禁止法や不正競争防止法の改正により、従来は規制を受けなかったビジネス手法が規制を受けることがあります。
また、海外との取引を行っている企業にとっては、取引先が属する国で紛争が生じたり政治情勢が不安定な状況になったりすることは、重大な外的環境の変化といえます。」
イ:「経済情勢(Economics)は、当社の内部の経済・財政の状況、すなわち、当社の財政状況、保有資産の現状です。
事業を展開するにあたり過分なコストはかかっていないか、取引先に対して有する債権は適切に回収できているか、過剰うな在庫や不要な資産を抱えていないか等、ビジネスに影響する自社の経済・財政の状況に注意を払う必要があります。」
ウ:「社会環境や一般消費者の動向(Society)は、社会環境の変化や消費者のトレンドなどです。
具体的には、人口構成の変化、一般消費者のものの考え方・ライフスタイルなどを指します。
例えば、消費者による環境保全意識の高まりは、社会環境の大きなトレンドとして重要です。
これまでは提供されてこなかった環境保全に好影響を及ぼす商品を開発することは、環境保全意識の高まりといったトレンドに合致した戦略といえます。」
エ:「技術に関する状況(Technology)は、新たな技術の出現や従来技術の革新に関する状況です。
例えば、インターネットの普及は、新たなビジネスを創出する一方で従来からあるビジネスのシェアを減少させています。
技術に関する状況の分析においては、当社のビジネスに直接関係しない技術革新が当社製品の代替製品の普及に寄与し、思わぬ収益減を招くこともあります。

  • ①ア〇イ〇ウ〇エ〇
  • ②ア〇イ×ウ〇エ〇
  • ③ア〇イ×ウ〇エ×
  • ④ア〇イ×ウ×エ×
  • ⑤ア×イ〇ウ〇エ〇
  • ⑥ア〇イ×ウ×エ×
  • ⑦ア×イ×ウ〇エ×
  • ⑧ア×イ×ウ×エ×

正解!

不正解...

正解は②ア〇イ×ウ〇エ〇です。

イについて、経済情勢(Economics)は企業内部の経済・財政の状況ではなく、ビジネスに影響を及ぼし得るマクロ環境における経済の状況を指す。
具体的には、景気動向(景気が上向きか下向きか)、物価変動(インフレかデフレか)、失業率、株価や金利の変動、為替相場の推移といった種々の経済指標などを分析する。
(第8章第3節参照)


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<第24問>

次の24-1および24-2の各設問に答えなさい。

<第24-1(2点)>

製品製造販売業を営むA社の営業推進課の課長Xは、同社経営陣への資料提供のため、部下であるYにA社の財務状況を示す資料をとりまとめるよう指示した。
Yは、その指示に基づき、A社における前期の業績(実績)および陶器の業績予想に基づく数値を掲載した財務諸表(損益計算書および貸借対照表)の項目の一部を比較した資料(以下、「本件資料」という)を作成した。
その内容は次のとおりである。

次のア~エの記述は、「本件資料」に関して、XとYとの間でなされた会話の一部である。
この会話におけるYの発言のうち、その内容が適切なものを〇、適切でないものを×とした場合の組み合わせを①~⑧の中から1つだけ選びなさい。

ア:X「前期と比較して当期は、売上総利益が増加すると予想されていますね。売上総利益について、簡単に説明してください。」
Y「売上総利益は、損益計算書において、売上高から売上原価を差し引いて求められます。期末に存在する製品在庫については、損益計算書に売上高として計上するとともに、その製造に要した費用は売上原価として費用化しなければなりません。」
イ:X「当社の本来の営業活動による収益性は、本件資料に示される項目のうち、どの項目により判断されますか。」
Y「当社の本来の営業活動による収益性は、営業利益により示されます。営業利益は、売上総利益から、販売費および一般化理非を差し引いて求められます。一般的に、販売費および一般管理費には、営業活動にかかる費用が含まれますが、営業所の家賃は含まれません。」
ウ:X「本件資料によれば、営業利益は増加すると予想されているのに経常利益は減少すると予想されていますが、その理由として考え得る事項を説明してください。」
Y「経常利益は、日常的な経営活動による儲けを表しており、営業利益から営業外収益や営業外費用を加減して求められます。そそて、営業外収益には受取利息や配当金などが、営業外費用には支払利息や手形の割引量などが含まれます。したがって、営業利益が前期よりも増加すると予想されているにもかかわらず、経常利益が前期と比較して減少すると予想されているのは、前期よりも営業外収益が減少している。あるいは、前期よりも当期により多くの営業外費用が計上されている、といった理由によるものと考えられます。」
エ:X「当期中、当社は〇〇県に所有していた『〇〇第二工場』を売却することにより利益が生じました。この利益は、損益計算書にはどのように計上されますか。」
Y「〇〇第二工場を売却することにより生じた利益は、特別利益にあたり、税引前当期純利益を計算する際に経常利益に加算されます。特別利益には、このほかに投資有価証券売却益なども含まれます。」

  • ①ア〇イ〇ウ〇エ〇
  • ②ア〇イ〇ウ×エ〇
  • ③ア〇イ×ウ〇エ×
  • ④ア〇イ×ウ×エ×
  • ⑤ア×イ〇ウ〇エ〇
  • ⑥ア×イ〇ウ×エ×
  • ⑦ア×イ×ウ〇エ〇
  • ⑧ア×イ×ウ×エ×

正解!

不正解...

正解は⑦ア×イ×ウ〇エ〇です。

ウ、エは適切である。
未だ販売されていない製品在庫及びその製造に要した費用は、売上高および売上原価として計上されない。
したがって、アは適切ではない。
また、営業所の家賃は販売費及び一般管理費に含まれる。
営業所の家賃は販売費及び一般管理費に含まれないとするイは適切ではない。
(第10章第1節,第2節参照)


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第24問の例図

<第24-2(3点)>

「本件資料」について、営業推進課のメンバーが分析をした結果、次のa~cの意見が出された。

a. 「販売している商品がどれだけの付加価値を生み出しているかは、売上高総利益率によって把握することができます。
当期に予想される売上高総利益率は、25%で前期より低下しています。
売上高総利益率を向上させるには[ア]などが考えられます。」
b. 「営業利益を効率よく獲得できるかは、総資本営業利益率を見ることによってわかります。
当期に予想される総資本営業利益率は、[イ]で前期と同じです。」
c. 「当期に予想される流動比率は、200%で前期より増加しており、これは、一般的には[ウ]と考えることができます。

これらの意見における空欄ア~ウに当てはまる語句を次の語群から1つずつ選びなさい。

①総資本に占める自己資本の割合が高い
②4%
③流動資産が効率的に売上に結びついている
④利益率の高い商品へ重点をシフトする等といった商品構成の見直しや、仕入れや生産に要するコストの削減
⑤20%
⑥無形固定資産の獲得
⑦短期的な支払い能力が向上している
⑧5%

  • ア④イ⑤ウ①
  • ア④イ⑧ウ①
  • ア⑥イ②ウ④
  • ア⑥イ⑤ウ⑦
  • ア④イ②ウ⑦

正解!

不正解...

正解はア④イ②ウ⑦です。

アには売上高総利益率を向上させる方法である④の「利益率の高い商品へ重点をシフトする等といった商品構成の見直しや、仕入れや生産に要するコストの削減」が当てはまる。
イには、当期に予想される総資本営業利益率である、②の「4%」が当てはまる。
ウには、流動比率が前期より増加したことによる効果である⑦の「短期的な支払い能力が向上している」が当てはまる。
(第10章第1節,第2節参照)


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<第25問(2点)>

X社の企画調査課長のAは、マーケティングの重要なプロセスの1つである。
市場に存在する多様な顧客ニーズを細分化しグループ化するセグメンテーションを適切に実施するため、企画調査課において検討会を実施した。
当該検討会においては、市場をいくつかのセグメントに分類するに際し、例えば、年齢、気候、都市環境といった「地理的変数」、価値観、ライフスタイル、嗜好といった「心理的変数」、製品・サービスの購買契機、使用頻度といった「行動的変数」など、消費者のニーズを識別する要素(以下、「セグメンテーション変数」という)について議論された。
次の①~③の記述は、セグメンテーション変数に関し、参加者からなされた発言の一部である。
これらの発言のうち、その内容が最も適切でないものを1つだけ選びなさい。

①「セグメンテーション変数のうち、『行動的変数』の用い方の1つの例として、顧客を製品・サービスの使用頻度により分類し、使用頻度が高い顧客と低い顧客との相違点を分析することが考えられます。
これにより、使用頻度の低い顧客が認識していない製品・サービスの用途・効用を見出すことができれば、そうした用途・効用を使用頻度の低い顧客に示すことによって、その使用頻度を向上させることができる可能性があります。」
②「セグメンテーションには、自社製品にニーズを感じやすく、購入してもらいやすい顧客を発見するという目的があります。
したがって、市場を分類するにあたっては、特定のニーズを有する人々のグループを発見し得るセグメンテーション変数を十分考慮することが重要です。」
③「『人工統計的変数』、『地理的変数』、『心理的変数」および『行動的変数』のうち、官公庁による統計に基づき最も容易にデータを取得することができるセグメンテーション変数は、『心理的変数』です。」

正解!

不正解...

正解はです。

③について、価値観、ライフスタイル、嗜好といった「心理的変数」は、人口分布や都市規模などのように官公庁による統計に基づき容易にデータを取得することができる性質のものではなく、一般に、消費者に対するアンケート調査等によって取得される。
(第11章第1節参照)


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<第26問(3点)>

次のア~エの記述は、マネジャーAが自己のチーム内でビジネスに影響を及ぼす環境要因を分析するためのフレームワークについて検討した際に、テーマが3C分析に及んだ時の発言の一部である。
これらの発言のうち、その内容が適切なものを〇、適切でないものを×とした場合の組み合わせを①~⑧の中から1つだけ選びなさい。

ア:「3C分析は、自社を取り巻く環境について3つのCの視点を総合的に分析することによって、自社の現状と課題、進むべき方向性などを分析しようとするものです。
また、ほかの市場に参入しようとする場合や、逆に、従来行ってきた事業や提供している製品・サービスを廃止・撤廃するか否かを検討する際にも用いることができます。」
イ:「3C分析における、市場・顧客(Customer)の分析では、自社が供給する製品やサービスに対する顧客のニーズやその変化等を分析します。
その際、潜在顧客についても考慮します。
あわせて市場規模、市場の成長可能性なども分析します。
具体的には、自社の製品やサービスは、現在いかなる顧客によって受け入れられているかを確認し、市場が成長しつつあるのか衰退しつつあるのか、そのトレンドを見て自社にとっての課題をあぶり出し、将来的にターゲットにすべき潜在顧客などについて分析します。」
ウ:「3C分析における、競合(Competitor)の分析では、競合他社を分析します。
競合他社の数、競合他社が提供する製品・サービスの特徴、競合他社の市場シェアや売上高、顧客数など、競合他社が市場・顧客にどのように対応しているかを把握し、自社のビジネスにとっての脅威度などを分析します。
競合の分析においては、現状として自社が供給している製品・サービスとちょくつ競合している企業だけでなく、例えば自社製品・サービスと類似する製品・サービスを供給する企業も潜在的な競合として分析の対象とします。」
エ:「3C分析における自社(Company)の分析では、自社製品・サービスの売上高、利益率、顧客数、原価率などの経営指標のほか、自社の経営資源、ブランドイメージ、技術力などを分析し、競合との関係における自社の強みと弱みを分析します。
自社の強みや弱みは結果的に業績として現れることが多いことから、事業や製品ごとに売上高の変化や市場シェアの移り変わり、粗利益率(売上高総利益率)などを確認します。」

  • ①ア〇イ〇ウ〇エ〇
  • ②ア〇イ〇ウ×エ〇
  • ③ア〇イ×ウ〇エ×
  • ④ア〇イ×ウ×エ×
  • ⑤ア×イ〇ウ〇エ〇
  • ⑥ア×イ〇ウ×エ×
  • ⑦ア×イ×ウ〇エ×
  • ⑧ア×イ×ウ×エ×

<第27問(3点)>

リスクマネジメントに関連する概念についての次の文章中の空欄に当てはまる最も適切場語句を①~④の中から1つだけ選びなさい。
なお、文章中の空欄には、同じ語句が入るものとする。

リスクマネジメントは、組織活動を継続的・安定的に行う上で不可欠の要素である。
そして、組織の安定的活動の根幹となる基礎の1つに[ ]がある。
[ ]は、「法令等の遵守」ともいわれるが、法令等のみを遵守すればよいわけではなく、その背景にある法令等の趣旨や精神に沿った活動が求められていることを意味する。
組織は、法令等の違反を避ける努力を徹底しなければ継続的・安定的な活動は望めない。
その意味で、[ ]を推進することは、リスクマネジメントを確立する上で重要な課題となる。

  • ①事業継続マネジメント(BCM)
  • ②コンプライアンス
  • ③経営判断の原則
  • ④事業等継続計画(BCP)

正解!

不正解...

正解は②コンプライアンスです。

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<第28問(過去問)(3点)>

職場のパワー・ハラスメント(以下、「パワハラ」という)は、被害を受けたものの尊厳や人格を侵害し、職場環境を悪化させる行為であり、これを放置すれば、労働者は、仕事への意欲や自信を失い、場合によっては心身の健康や生命すら危険にさらされることもある。
また、企業経営上の観点からも、労働者の意欲・生産性の低下や企業イメージの悪化等といった大きな損失につながる。
マネジャーは、自らの言動がパワハラに該当しないよう十分に注意するだけでなく、チーム内でパワハラが発生していないか、その予兆がないか、日頃から注意しておくことが重要である。
厚生労働省「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(以下、「パワハラ指針」という)に関する次のアおよびイの記述について、その内容が適切なものには①を、適切でないものには②を選びなさい。

ア:パワハラ指針では、職場におけるパワハラの代表的な言動の類型である「身体的な攻撃(暴行・障害)」に該当すると考えられる例として、「殴打、足蹴りを行うこと」、「相手に物をなげつけること」および「誤ってぶつかること」を挙げている。
イ:パワハラ指針において、「労働者の就業環境が害される」言動とは、当該言動により労働者が身体的または精神的に苦痛を与えられ、労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることを指し、この判断に当たっては、「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうかを基準とすることが適当であるとされる。

  • ①ア〇イ〇
  • ②ア〇イ×
  • ③ア×イ〇
  • ④ア×イ×

正解!

不正解...

正解は③ア×イ〇です。

アについて、厚生労働省「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(パワハラ指針)では、職場におけるパワハラの代表的な言動の類型である「身体的な攻撃(暴行・障害)」に該当すると考えられる例として、「殴打、足蹴りを行うこと」、「相手にものを投げつけること」を挙げる一方、「誤ってぶつかること」は、「身体的な攻撃(暴行・障害)」に該当しない例として挙げている。
(第13章第2節参照)


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<第29問(2点)>

X社の運営する店舗Yでは、同社の新製品の発売に合わせてアルバイトを大幅に増員することとなった。
そこで、店舗Yの店長であるAは、アルバイトと労働契約を締結するに際し、労働基準法上当該アルバイトに交付する必要がある書面(以下、「本件書面」という)を手配した。
次の①~⑤の記述のうち、労働基準法上、本件書面に記載しなければならない事項として最も適切でないものを1つだけ選びなさい。

  • ①労働契約の期間に関する事項
  • ②期間の定めのある労働契約(有限労働契約)を更新する場合の基準に関する事項
  • ③始業および就業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇等に関する事項
  • ④契約期間満了時に退職した場合に労働者が会社に支払う違約金の額
  • ⑤退職に関する事項(解雇の事由を含む)

正解!

不正解...

正解は④契約期間満了時に退職した場合に労働者が会社に支払う違約金の額,⑤退職に関する事項(解雇の事由を含む)です。

労働基準法上、会社が、アルバイトと労働契約を締結する際に、当該アルバイトに交付すべき書面に記載しなければならない事項として最も適切でないものは④である、
契約期間内における体色は労働契約の不履行に該当し得るが、労働契約の不履行について違約金を定め、損害賠償額を予定する契約は労働基準法により禁止されている(同法16条)。
したがって、本問における書面に「契約期間満了前に退職した場合に労働者が会社に支払う違約金の額」を記入してはならない。
(第13章第1節参照)


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<第30問(2点)>

労働暗線衛生法66条の10により一定の事業者に義務付けられている「心理的な負担の程度を把握するための検査等」(以下、「ストレスチェック」という)に関する次のア~エの記述のうち、その内容が適切なものを〇、適切でないものを×とした場合の組み合わせを①~⑧の中から1つだけ選びなさい。

ア:ストレスチェックは、労働安全衛生規則により、職場における労働者の心理的な負担の原因に関する項目、当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目および職場におけるほかの労働者による当該労働者への支援に関する項目について行うべきものとされている。
イ:ストレスチェックは、医師や保健師等により実施されるが、ストレスチェックを受ける労働者について昇進や移動に関して面接の権限を持つ監督的地位にある者、すなわち当該労働者が所属する部署のマネジャーなどは、ストレスチェックの実施の事務に従事してはならないとされている。
ウ:事業者は、ストレスチェックの結果の通知を受けた労働者のうち、当該ストレスチェックを実施した医師等により心理的な負担の程度が高く面接指導を受ける必要があると認められた者が、医師による面接指導を希望する旨を申し出た時は、当該労働者に対し、医師による面接指導を実施しなければならない。
エ:ストレスチェックを実施した医師等は、ストレスチェックを労働者に受けさせた事業者およびストレスチェックを受けた労働者の両者に対し、遅滞なく、その結果を通知しなければならない。
労働者にストレスチェックを受けさせるのは事業者の義務であり、その結果を事業運営に反映させなければならないことから当該医師等は当該労働者の同意の有無を問わず、当該結果を当該事業者に提供しなければならない。

  • ①ア〇イ〇ウ〇エ〇
  • ②ア〇イ〇ウ〇エ×
  • ③ア〇イ×ウ〇エ×
  • ④ア〇イ×ウ×エ×
  • ⑤ア×イ〇ウ〇エ〇
  • ⑥ア×イ〇ウ×エ×
  • ⑦ア×イ×ウ〇エ×
  • ⑧ア×イ×ウ×エ×

正解!

不正解...

正解は②ア〇イ〇ウ〇エ×です。

エについて、ストレスチェックを実施した医師等は、あらかじめ当該検査を受けた労働者の同意を得ないで、当該労働者の検査の結果を事業者に提供してはならない(労働安全衛生法66条の10第2項)。
(第13章第3節参照)


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<第31問(2点)>

マネジャーが業務を推進する過程で考慮しなければならない課題として、「ワーク・ライフ・バランス」がある。
高齢化、人口減少といった時代背景の中で、非正規雇用者など不安定な雇用または経済的基盤の確保が難しい雇用の増加や、正規雇用者にみられる長時間労働など、働き方をめぐる様々な問題が生じており、従来の働き方のままでは、個人だけでなく、社会全体や個々の企業・組織が持続可能なものではなくなるおそれがある。
そこで、内閣府では、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」(以下、「憲章」という)を策定している。
憲章は、「仕事と生活の調和が実現した社会の姿」として目指すべき社会を挙げており、企業とそこで働く者は、協調して生産性の向上に努めつつ、職場の意識や職場風土の改革と併せて働き方の改革に自主的に取り組むことが求められる。
次の①~⑤の記述のうち、憲章が挙げる「仕事と生活の調和が実現した社会の姿」として目指すべき社会に該当するものをすべて選びなさい。

①持続可能な生産消費形態を確保できる社会
②健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会
③包摂的かつ継続的な経済成長ができる社会
④多様な働き方・生き方が選択できる社会

  • ①②③
  • ②③④
  • ③④⑤
  • ①②④
  • ②④⑤

正解!

不正解...

正解は②④⑤です。

仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章では、「仕事と生活の調和が実現した社会の姿」として、「就労による経済的自立が可能な社会」、「健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会」、「多様な働き方・生き方が選択できる社会」が挙げられている。
(第13章第4節参照)


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<第32問(2点)>

<第33問(3点)>

製造業を営むX社の製造管理部のマネジャーAは、同社の製品製造工程における業務上の事故の発生を防止するために、次の①~⑤の実施事項や注意事項を列挙した。
これらの事項のうち、業務上の事故の発生を防止するための事項として最も適切でないものを1つだけ選びなさい。

  • ①類似部材について、作業工程の順番に従った部材配置方法を取り入れるなどの工夫をする。
  • ②作業経過を明確にするため、色のついたカードを作業工程表に置くなどして、作業の進捗状況を把握しやすいように工夫をする
  • ③業務遂行上の指示や表示に間違えやすい数字やアルファベットなどは使用しない。
  • ④メモをとるなどして、行わなければならない作業の失念を防ぐ。
  • ⑤作業時間の短縮を最優先事項と位置づけ、一人の作業担当者が複数の業務を同時並行で実施する。

正解!

不正解...

正解は⑤作業時間の短縮を最優先事項と位置づけ、一人の作業担当者が複数の業務を同時並行で実施する。です。

⑤について、作業時間の短縮も十四杖あるが、1人の作業担当者が複数の業務を同時並行で実施することはヒューマンエラーを発生させ業務上の事故を生じさせる原因となり得る。
(第14章第1節参照)


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<第34問(2点)>

企業が取引先等との間の契約において使用する契約条項の中に、契約当事者が暴力団員等の反社会的勢力ではないことを誓約する旨の条項(以下・「反社条項」という)が盛り込まれることがある。
反社会的勢力との関係を一切遮断するために反社条項を設ける場合に留意すべき事項に関する次の①~④の記述のうち、その内容が最も適切なものを1つだけ選びなさい。

①反社条項においては、排除の対象が無用に拡大することを避けるため、「自らが暴力団員ではないことを確約する」というように、契約の相手型地震が暴力団員ではないことを確約させる旨の定めを設ければ十分であるとされる。
②人の性格や言動は一人ひとり異なり、温和な人も言動が粗暴な人も存在する。
反社条項において、例えば、契約当事者が「『相手方に対する脅迫的な言動または暴力を用いる行為』や『偽計または威力を用いて相手方の業務を妨害し、または信用を毀損する行為』をしない」等、契約の相手方の言動を誓約する内容を定めることは、反社会的勢力ではなく単に言動が粗暴な人をも排除の対象とすることとなるので、契約の相手方の言動を誓約する条項は、反社条項の内容として盛り込むべきではない。
③契約の相手方が反社会的勢力であることが判明した場合に、催告を必要とせずに当該契約を解除できることを定めることは、反社会的勢力である当該契約の相手方の更生の機会を失わせることとなる。
したがって、反社条項に基づく契約の解除をするには、必ず、解除に先立って相手方に対しあらかじめ相当の期間を定めた上で、反社条項に違反しない状態に改善するよう催告することを要する旨を定めておくことが必要である。
④契約の相手方が反社会的勢力であることが判明し、反社条項に基づき契約を解除した場合、当該契約の相手方から当該解除によって損害を被ったとして損害賠償請求を受けることがあり得る。
このような事態を想定し、反社条項においては、不当な要求を明確に拒絶するため、契約が反社条項違反を理由に解除された場合には、解除された当事者は、解除した当事者に対し、解除により生じる損害について、一切の賠償請求をすることができない旨を定める等、契約の解除により生じる損害等に対する免責について規定しておくべきである。

正解!

不正解...

正解はです。

①について、暴力団員に限らず暴力団の支配下にある企業等も反社会的勢力に含まれており、そのような反社会的勢力とは一切関係を持たないようにする必要がある。
したがって、単に契約の相手型地震が暴力団員でないことを確約させる旨の定めを設けるだけでは不十分と考えられる。
②について、契約の相手方の属性だけでなく、当該相手方の行為を規制する条項(例えば「脅迫的な言動または暴力を用いる行為」や「偽計または威力を用いて業務を妨害し、または信用を毀損する行為」等)も、反社条項に加えておくことは重要である。
これにより、相手方が反社会的勢力であると認定しがたい場合でも、相手方の不当要求行為等に基づく契約解除が容易になる。
③について、契約締結後、当該契約の相手方が反社会的勢力であること等が判明した場合に、催告なく解除することができる旨の条項を盛り込むことにより、反社会的勢力との関係遮断を速やかに行うことが容易になる。
(第14章第4節参照)


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<第35問(2点)>

男女雇用機会均等法上、事業主は、職場におけるセクシュアル・ハラスメント(職場において行われる性的な言動に対する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、または当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されること)のないよう雇用管理上必要な措置を講ずべき義務を負う。
厚生労働省告示「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」)以下、「セクシュアル・ハラスメント指針」という)では、職場におけるセクシュアル・ハラスメントの典型的な例を挙げている。
次の①~⑥の記述のうち、セクシュアル・ハラスメント指針に照らし、セクシュアル・ハラスメントの例に該当しないものを1つだけ選びなさい。

①同僚が取引先において労働者に係る性的な内容の情報を意図的かつ継続的に流布したため、労咳労働者が苦痛に感じて仕事が手につかないこと。
②出張中の車中において上司が労働者の腰、胸などに触ったが、抵抗されたため、当該労働者について不利益な配置転換をすること。
③営業所内において事業主が日ごろから労働者に係る性的な事柄について公然と発言していたが、抗議されたため、当該労働者を降格すること。
④管理職に就いている女性従業員の割合が男性従業員と比較して極端に低いため、事業主がこの格差を解消する目的で女性従業員の身を対象に管理職候補者育成のための教育訓練を実施すること。
⑤事業所内において上司が労働者の腰、胸などに度々触ったため、当該労働者が苦痛に感じてその就業意欲が低下していること。
⑥事業所内において事業主が労働者に対して性的な関係を要求したが、拒否されたため、当該労働者を解雇すること。

正解!

不正解...

正解はです。

管理職に就いている女性十両院の割合が男性従業員と比較して極端に低いため、事業主が、この格差を解消する目的で女性従業員の身を対象に管理職候補者育成のための教育訓練を実施することは、「セクシュアル・ハラスメント指針」におけるセクシュアル・ハラスメントの例に該当しない。
(第13章第2節参照)


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<第36問(3点)>

独占禁止法は、企業間における公正かつ自由な競争を促進等するために企業活動を規制する法律である。
独占禁止法に関する次のアおよびイについての①~④の記述のうち、その内容が最も適切なものを1つだけ選びなさい。

ア:X社は、a市場において、競争地位戦略(Philip Kotler)状のチャレンジャーに当たる企業である。
X社は、a市場におけるシェアの拡大を目的として、製造原価を大幅に下回る価格で自社製品の販売を継続した結果、競合他社の販売活動を困難にし、シェアの拡大を達成した。
このX社の行為は、公正な競争を阻害する恐れがある場合であっても、独占禁止法に違反することはない。
イ:Y社とZ社は、甲県における公共事業の指名競争入札にあたり、事前の両者間の協議によって、Y社がある価格をもって落札することを取り決め、この協定に従ったことにより、公共の利益に反して、甲県の公共事業の指名入札における競争を実質的に制限した。
この場合、Y社とZ社の当該行為は、不当な取引制限に該当し独占禁止法に違反する。

  • ①アおよびイのいずれも適切である
  • ②アのみが適切である
  • ③イのみが適切である
  • ④アおよびイのいずれも適切でない

正解!

不正解...

正解は③イのみが適切であるです。

アについて、正当な理由がないのに、商品または役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、ほかの事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるものは、不公正な取引方法に該当する。
(第15章第2節参照)


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<第37問(3点)>

製造物は、一般に、製造業者等から小売店等を経て消費者等に販売される。
製造物責任法は、製造物の欠陥により当該製造物を使用した消費者等が損害を被った場合、製造業者等が損害賠償責任を負うことを趣旨とする法律である。
製造物責任法に関する次のアおよびイについての①~④の記述のうち、その内容が最も適切なものを1つだけ選びなさい。

ア:製造物責任法上の製造物には、工業製品だけでなく、不動産も含まれる。
イ:製造物責任法上、製造物の欠陥による損害が当該製造物についてのみ生じた場合には、当該製造物の製造業者等は、製造物責任法に基づく損害賠償責任を負わない。

  • ①アおよびイのいずれも適切である
  • ②アのみが適切である
  • ③イのみが適切である
  • ④アおよびイのいずれも適切でない

<第38問(2点)>

日本のGDP(Gross Domestic Product: 国内総生産)に関する次のアおよびイの記述についての①~④の記述のうち、その内容が最も適切なものを1つだけ選びなさい。

ア:日本企業であるA社が、海外のa国において行った経済活動による収益を得た。
この場合における当該収益の額。
イ:日本国内において、日本の企業である機械部品製造業者B社が、機械部品の製造のために金属材料販売業者C社から仕入れた金属材料βを加工して製造した部品γを日本の企業である機械製造業者D社に納入した。
この場合における、D社がB社に支払った部品γの代金の額から金属材料βの仕入れ代金の額を差し引いた額。

  • ①アおよびイのいずれも日本のGDPに算入される額である。
  • ②アのみが日本のGDPに算入される額である。
  • ③イのみが日本のGDPに算入される額である。
  • ④アおよびイのいずれも日本のGDPに算入される額である。

正解!

不正解...

正解は③イのみが日本のGDPに算入される額である。です。

アについて、日本の企業が海外で得た収益は、GDPの構成要素とはならない。

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<第39問(2点)>

フランチャイズチェーン店舗を展開するコンビニエンスストア等で用いられる経営戦略の1つに、特定の地域内において、複数の同一チェーンの店舗を展開する手法である「ドミナント出店戦略」がある。
「ドミナント出店戦略」は、出店した地域における市場シェアを拡大し競争優位に立つこと等を目的とする。
次のア~エの記述のうち、「ドミナント出店戦略」の特徴として、適切なものを〇、適切でないものを×とした場合の組み合わせを①~⑧の中から1つだけ選びなさい。

ア:店舗で取り扱う商品の配送が効率化され、物流コストの削減を図ることができる。
イ:フランチャイザー(本部)がフランチャイジー(加盟店)に対して行う指導時間の増加を図ることができる。
ウ:店舗同士が顧客を奪い合う、いわゆる「カニバリゼーション」が発生する可能性を根絶することができる。
エ:特定の地域内で、消費者の目に多く触れることにより認知度の向上を図ることができる。

  • ①ア〇イ〇ウ〇エ〇
  • ②ア〇イ〇ウ×エ〇
  • ③ア〇イ×ウ〇エ×
  • ④ア〇イ×ウ×エ×
  • ⑤ア×イ〇ウ〇エ〇
  • ⑥ア×イ〇ウ×エ×
  • ⑦ア×イ×ウ〇エ×
  • ⑧ア×イ×ウ×エ×

正解!

不正解...

正解は②ア〇イ〇ウ×エ〇です。

特定の地域に優先的に経営資源を投入する「ドミナント出店戦略」においては、当該特定の地域での認知度の向上や物流の効率化、フランチャイザーなどの管理者に近い位置に同一チェーンの店舗がおかれることから、同一チェーンの店舗同士で顧客を奪い合う(カニバリゼーション)が発生するリスクが存在する。
(第8章第4節参照)


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<第40問(過去問)(3点)>

SDGs( Sustainable Development Goals: 持続可能な開発目標)は、貧困、気が、教育、不平等、エネルギー、気候変動、ジェンダー、平和など、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目的として、2015年9月の国際連合サミットにおいて採択された国際目標であり、2030年をその年限としている。
SDGsを達成するためには、政府機関だけでなく、企業の協力が不可欠であり、企業におけるSDGsへの取り組みを推進することは、マネジャーとして重視すべき課題である。
SGDsでは、世界共通の目標として17項目が挙げられており、各目標には、具体的に達成すべき課題である「ターゲット」が示されている。
SDGSの目標の1つに「つくる責任 つかう責任」があり、環境に害を及ぼす物質の管理に関する具体的な政策や国際協定などの措置を通じ、持続可能な消費と生産のパターンを推進することを目指すものである。
SDGsの目標「つくる責任 つかう責任」のターゲットに関する次のア~ウの記述のうち、その内容が適切なものを〇、適切でないものを×とした場合の組み合わせを①~⑧の中から1つだけ選びなさい。

  • ①ア〇イ〇ウ〇
  • ②ア〇イ〇ウ×
  • ③ア〇イ×ウ〇
  • ④ア〇イ×ウ×
  • ⑤ア×イ〇ウ〇
  • ⑥ア×イ〇ウ×
  • ⑦ア×イ×ウ〇
  • ⑧ア×イ×ウ×

正解!

不正解...

正解は④ア〇イ×ウ×です。

イについて、SDGsターゲット12.5は、「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品の損失を減少させる」としており、「一人当たりの食料の損失を根絶する」とする本肢は適切ではない。
ウについて、SDGsターゲット12.6は、「大企業や多国籍企業をはじめとする企業に対し、持続可能な慣行を導入し、定期報告に持続可能性に関する情報を盛り込むよう奨励する」としているが、「特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを義務化し、当該取り組みを行わない企業に罰則を科する法制度を整備する」とはしていない。
(第1章第1節参照)


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