第9章 マネジャーに求められる業務のマネジメント

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第9章では以下の点について学んでいきます。

  • 事業計画の実施としての業務のマネジメント
  • マネジャーが身につけるべき論理的思考
  • 業績目標の設定
  • 進捗管理
  • 目標値と実施事項の因果関係を把握し対応する

事業計画の実施としての業務のマネジメント

ここでは業務のマネジメントの基本的な考え方について解説していく。

業務のマネジメントの基本的な考え方

マネジャーが行うべき業務のマネジメントは、チームとして組織の経営計画の実現に貢献すること、すなわり、事業計画を実施することである。

マネジャーは、この役割を果たすために、経営計画を事業計画へ、事業計画をチームメンバー各個人の目標へとブレークダウンさせることが重要である。

マネジャーが事業計画を策定するためには以下の項目を重視しなければならない。

  1. 経営計画の内容を理解する
  2. チームとして実現すべき目標を掲げる
  3. 目標達成に必要な活動を決定し実行する

経営計画の内容を理解する

マネジャーは、組織として決定された経営計画の内容を正確に理解しなければならない。

事業計画の策定においては、前章で紹介した様々な分析方法やフレームワークを活用して自己の組織が直面する外部環境と組織自体の財務状況等を分析・検討する。

第8章 第1節参照

チームとして実現すべき目標を掲げる

経営計画を理解した後には、マネジャーは、経営計画の実現に貢献するために、自己のチームとして実現すべき目標を設定することとなる。

具体的には、来期に実現すべき売上高や利益額を検討し、これらを実現するために必要となる費用を計算する

また、業績目標は、将来を予測したものであることから必ずしも予測した通りの結果とならないこともあり得る。

予測に反する事態が発生した場合などにはその変化に陣族に対応したり、目標と現実との間にギャップがあればその原因を追究して対応するなど、目標達成に向けて真摯に取り組むことが求められる。

目標達成に必要な活動を決定し実行する

チームとしての業績目標を設定した後は、その目標を達成するために必要な実施事項とその担当者を決め、スケジュールを決定するなどの業務計画を策定して実行していく。

マネジャーは、チームの目標達成に向けた業務計画の策定と実施にあたって、チームメンバーである部下との間で、計画の背景や目的等を共有するため、適切なコミュニケーションを図り、部下のモチベーションを高めることが求められる。

また、個々の部下の能力を踏まえ、その向上に資する業務目標を各人に割り当て、業務目標の達成とともに、部下の能力開発という点についても責任がある。

さらに、部下の人員配置や業務の進捗管理等においては、労働関係法令に違反しないように十分な注意を払うことに加え、部下が業務を実施する際にはヒューマンエラーの防止に努めるとともにその安全衛生等にも留意する必要がある(第13章「職場におけるリスクマネジメント」、第14章「業務にかかわるリスクマネジメント」参照)。

PDCAサイクルを活用した業務のマネジメント

PDCAサイクルは、マネジメントサイクルの1つであり、①計画 (Plan)、②実施 (Do)、③確認・評価 (Check)、④処置・改善 (Act)に従った管理プロセスである。

(カイゼンベースより図引用)

業務のマネジメントの基本は、この4つからなるループを繰り返すが、④処置・改善 (Act)が次のループで⑤計画 (Plan)へと反映されるフィードバックループとなる。

このようにして段階的に高いレベルで業務を行えるようにしていくことを目指していく。

つまり、PDCAサイクルによる業務マネジメントの重要な点は、一度だけ計画を立て、実行・評価すればよいというわけではなく、これまでの結果を踏まえて再び計画を改善していくサイクルを継続して繰り返すという点にある。

マネジャーは、PDCAサイクルに従って、業務目標の達成に向けて、①業務計画を立案し、②部下とともに計画を実施し、③その実施結果を評価して業務計画の進捗度合いを分析して必要な処置をし、④改善項目を洗い出して次年度の業務計画にフィードバックする。

年度ごとの業務目標達成に向けた業務計画を立案することは、マネジャーの基本的な業務となる。

業務計画を立案する際には、前年度の業務計画とその実績値を手元に用意する。

マネジャーは、前年度からの引継ぎ資料に加え、その年度においてマネジャーが経営層から伝えられている経営の方向性や、自己のチームを取り巻く環境や経済動向などを考慮して業務計画を立案することになる。

マネジャーが身につけるべき論理的思考

ここでは、マネジャーが、PDCAサイクルのPlanに当たる「業務計画」を考える際の基本となる論理的な思考方法と思考のためのツールを紹介する。

業務をマネジメントする際に不可欠な「論理的思考法」

マネジャーが、業務のマネジメントとして行うべき重要な仕事の1つに、事業計画の策定がある。

事業計画は、企業が将来にわたり発展し続けるための指針である

したがって、明確な根拠に裏付けされた計画である必要がある。

また、策定した事業計画は、マネジャー1人で実行できるものではなく、部下や上司など周囲の協力を得なければ実行できない。

周囲の人の共感を得て、協力してもらえる事業計画とするためには、論理的かつ整合性をもって説得力のある説明をし、納得してもらうことが必要である。

論理的思考法を身につけることは、こうした観点からも、マネジャーにとって重要な事項である。

論理的思考法:複雑で不明確な下乗を単純化し、構造化し、または麻生後の因果関係を明確にして誰にでも分かりやすくするための考え方

この論理的思考法の原理・原則ともいえるのが、帰納法演繹法である。

演繹法の一種として三段論法がある。

これは「大前提」と「小前提」から「結論」を導き出す方法で、「AはBである」という一般的・普遍的なルールである大前提に「CはAである」という具体的な事実である小前提を当てはめて、「CはBである」という結論を導き出す。

演繹法や三段論法は、前提が正しいことを前提としており、前提が間違っている場合には正しい結論が導かれないことに注意が必要である。

マネジャーは、チームをマネジメントし業務をマネジメントするに際しては、常に物事を抽象化したり具体化したりできるように、日頃から訓練をする必要がある。

論理的な分析にあたっての基本的な考え方 -MECE

マネジャーは、マーケットの動きや自社製品の顧客の消費動向、業務プロセスなどを分析しなければならない場面に直面することがある。

その際、どんなに深く詳細に分析したとしても、全体として見たときに必要な事項が抜け落ちているのでは正確な分析結果を得ることはできない。

分析結果が誤っていれば、よい成果を得ることは難しいと言わざるを得ない。

また、マネジャーは、部下に調査や分析を指示した場合、その結果に漏れや重複がないかを確認し、あれば修正を指示する必要がある。

このように、漏れや重複がないことをMECEという。

MECE: Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive (重複がなく、かつ漏れがないこと)

「ミーシー」または「ミッシー」などと読む

MECEは、複数の要素を網羅的に整理・分析する場合に必要となる考え方である。

マネジャーは、自ら目標達成のための戦略を考える際には、必ず、自身の考えがMECEとなっているかを自問しなければならない。

ただし、MECEを網羅的かつ厳密に行おうとすると、膨大な時間や手間がかかってしまったり、ビジネス上の判断に必ずしも直接は必要がない細かすぎる情報が混在することにもなる。

したがって、とくに漏れがないかを検討する際には、あらかじめ決めた時間で考え得る漏れを出せるだけ出したら、いったんそこで重複のチェックをするなどの工夫が必要である。

また、第8章 第3節で説明している戦略策定のための様々なフレームワークは、切り口がMECEになっているため、これらを上手く活用することも効率的である。

第8章 第3節参照

MECEは、論理的思考の基本である。

これから紹介する様々なツールやフレームワークを用いて戦略を分析する際の考え方の基本となる。

抽象から具体へと論理展開して個々の業務に落とし込む -ロジックツリー

マネジャーが上司から課せられる業績目標は、その内容が抽象的であったり、または具体的な数値目標が示されていたりしても、どのようにそれを実現するかをマネジャーに任されていることが一般的である。

マネジャーは、抽象的な事象を論理展開して具体的な事項に落とし込むことが求められる。

マネジャーが、抽象から具体へと論理展開する際に利用できるツールがロジックツリーである。

ロジックツリーは、論理を樹形図で示す。

時左に上位概念(「イシュー」と呼ぶ)を置き、右に行くに従って個別・具体的に展開していく。

イシューから展開された項目は「ボックス」と呼ぶ。

ツリーの同じレベルに位置するボックスは、相互にMECEとなるようにする。

ロジックツリーは、展開の仕方によって、以下のように分類することができる。

  1. 原因の探求 (WHYツリー)
  2. 方法の探求 (HOWツリー)
  3. 要素の探求(WHATツリー)

原因の探求(WHYツリー)

WHYツリーは、問題の原因を検討する場合に用いることができる。

すでに判明している問題をイシューとし、「なぜ?」と自問しながらその原因にあたるものをボックス内に記述し、右側に展開していく。

この「なぜ?」を3~5回繰り返し、ロジックツリーのレベルが3~5階層程度まで展開できれば、ボックス内の記述はかなり具体的になる。

ここで具体化された問題の原因について解決策を考える。

方法の探求(HOWツリー)

HOWツリーは、目標をイシューとして、その手段・方法を探求するロジックツリーである。

達成すべき目標を「〇〇を~する」という表現で記述し、その目標を達成するために「どうやって?」と自問しながらその手段・方法を展開する。

イシューの次のボックスは、経営資源ごとに4つのボックス(ヒト、モノ、カネ、情報)などの切り口を利用して考えるとよい。

要素の探求(WHATツリー)

WHATツリーは、イシューを構成する要素ごとにボックスに展開するロジックツリーである。

会社の組織図などは、このWHATツリーの例といえる。

WHATツリーは、物事の全体像を把握する際に利用することができる。

手持ちの情報が乏しくても行動に移す -仮説思考

関連する情報・データを網羅的に収集して精緻に分析し、その結果を待って方針を決定し行動を起こすというのでは、変化の激しい現在のビジネス環境で持続的成長を遂げることはできない。

たとえ必要不十分な判断材料がそろっていない状態においても、現在有している判断材料のみでおよその見込みをもって行動することが必要な場合がある。

「仮説志向」は、目標達成や問題解決のための判断材料が乏しくても、現在有している限られた情報や知識をもとに一定の仮設(過程や仮の結論)を立て、その仮説をもとに行動する、という考え方である。

仮説を立てる際のポイントは、その時点における情報に基づく状況の中で、何を最優先にして判断するかを明確にすることである。

例えば、自社で扱っているある消費者向け商品群の中に、これまでほとんど売れていなかった商品が急激に売り上げを伸ばしているもののその理由が明確でない場合に、さらにその商品の売り上げを伸ばすために何に積極投資すべきかを決めなければならないとする。

その商品の販売チャネルごとの売り上げ構成比の情報と販売地域ごとの売上高の情報がある場合に、いずれの情報を優先するかによって仮定の内容が違ってくる。

例:最近の主な購買層を仮に「30~40代の既婚女性である」との仮説を立てれば、その購買層によく読まれている雑誌への広告を増やすことなどが考えられる

仮説思考では、仮説を実施して検証し、検証結果に基づいて仮説を修正するといったサイクルを繰り返すことにより、仮説の精度を高めていき、効率的に最適解を導き出すことが可能となる。

マネジャーは、業務の改善や新規事業等について、一定の意思決定をしなければならない場合には、その意思決定に必要な情報を収集・検証する十分な時間が確保できないときであっても、その時点で保有している判断材料に基づいて仮説を立て、仮説に基づいて実行してみることが重要である。

実行した結果については必ず検証して、必要に応じて仮説を修正しさらに試行するというプロセスを経て、そのアイデアを進化させていく。

業績目標の設定

マネジャーは、業務目標を設定する際には、「目標項目」と、達成すべき具体的な「目標値」を必ずセットで設定する。

目標項目は、達成状況を数値で表すことができる項目を設定する。

例:売上高、利益率、生産性、不良率など

これに対し、目標値は、目標項目について年度内で達成すべきレベルを数値で表したものである。

例:「売上高20%アップ」、「不良率10%ダウン」など

マネジャーは、これらの目標項目とその目標値を設定するにあたって、前年度実績を参考にすることがある。

前年度実績は、現実的な目標値を設定する上である程度参考にできるデータではあるが、可能であれば従来そのチームで進めてきた方法を改善してはじめて達成できる水準を目標値として設定するよう努めるべきである。

それによって、その企業全体の成長に貢献できるだけでなく、部下の成長を促すことができるからである。

また、従来の事業等の延長線上で考えるのでは到達が困難なゴールを目指す場合には、現状や過去のデータの分析に基づき方策を考えるのではなく、未来の「あるべき姿、ありたい姿」を起点として、その実現のために埋めるべきギャップや今実施すべき方策を考えるバックキャスティングのアプローチが有効である。

目標設定の重要性

仕事の成果は、マネジャーが、どのような目標を設定するかによって決まるといっても過言ではない。

そして、目標を実現するための手段には様々なものがあり得る。

そのため、業務に関する計画は、基本的に、手段から考えるのではなく目指すべき目標から考える。

マネジャーが設定すべき目標の種類

業務に関する目標は、さまざまに分類することができる。

ここでは、以下の2種類の分類について解説する。

  1. 有形の目標と無形の目標
  2. 短期的目標と長期的目標

有形の目標と無形の目標

有形の目標は、計測や定量化が可能なもので、例えば「何を・どれだけ・いつまでに」というように、具体的・定量的に表現できる目標をいう。

例:売上高、利益、新製品開発のQCD (Quality, Cost, Delivery)など

これに対して無形の目標は、達成すべき数値として表すことは困難な目標であって、企業の持続的な成長に向けて、その組織力を強化し、部下の成長を促し、あるいは、社会に対する責任を果たすといった企業活動の質向上にかかわるものをいう。

無形の目標は、関係メンバーが共有できる言葉で目標を設定する。

マネジャーは、具体的な数値として把握することができる有形の目標に目を奪われがちだが、無形の目標も必ず掲げるよう意識する必要がある。

短期的目標と長期的目標

短期的目標と長期的目標は、目標達成(成果)までに費やすことができる期間に着目した分類である。

短期的目標:直ちに結果を求められる目標

長期的目標:直ちに結果を出すことは困難であるが将来的には成果を上げなければならない目標

短期と長期をどのように区別するかについては、様々な考え方があり得るが、年度内で結果を求められる目標は短期的目標であり、複数年度にわたって取り組むべき目標は長期的目標とする考え方が一般的である。

マネジャーは、年度ごとに課されるこの業績目標を達成するために、一定の期限ごとに目標を定めてチームメンバーである部下に業務を割り振り、スケジュールを管理する。

次に、長期的目標としては、まず将来の組織を支え、組織が発展するために、将来に備えた新しいビジネスの探求や、既存のビジネスモデルの構造変革などが挙げられる。

また、将来の組織を担う原動力ともいうべき部下の「人材の育成」が挙げられる。

さらに、複数年度にわたって取り組むべき課題も挙げられる。

このような課題への取り組みは、将来の組織像を実現するために、チームで取り組まなければならない活動内容を目標として設定するものである。

長期的に取り組む課題は、組織の経営方針や業界・景気の動向なども広く捉えた上で設定すべきものである。

マネジャーは、長期的な課題に取り組むことにより、変化に対応できるチームを作ることができる。

進捗管理

ここでは目標の進捗管理について解説していく。

実施事項の洗い出し

マネジャーは、業務計画を作成するにあたっては、まず目標達成に向けて取り組むべき実施事項を洗い出す。

実施事項を洗い出す際には、目標項目と関連する業務について具体的な実施事項をなるべく多く挙げる。

このような洗い出しを行う際には、実施事項1つにつき1枚のカードに書き出して整理するなど、見える化の工夫をするとよい。

目標項目・目標値と実施事項との関連は、下図のようなマトリクスにまとめる。

目標項目・目標値と実施事項のマトリクス

マトリクスを作成しながら実施事項の洗い出しと整理を繰り返すことによって、実施すべき事項の重複や漏れに気づくことがある。

当然、業務計画に盛り込むべき実施事項がMECEになっている必要がある。

実施事項は、目標達成のために実際に取り組まなければならない事項である。

したがって、むやみに増やすのではなく、目標達成のために有効な事項に集中するようにする。

実際に実施事項を進めていくのは、部下などのチームメンバーである。

そこで、マネジャーが実施事項のすべてを考えて決定するのではなく、ある程度の方向性が決まったら、関係するメンバーを交えて実施事項の検討をすることが大切である。

ここまでの流れを次の事例で確認していく。

あなたは、上司から自社が顧客に提供している『Aサービス』の知名度を上げるため、イベントを開催するよう指示を受けた。

イベント開催後の『Aサービス』の知名度は、マーケット部門がのちに市場調査を行って測るものとされ、あなたのチームとしては、「イベントの成功」がこのイベントを開催する目的であるとされている。

この「イベントの成功」という目的は、より具体的な、「目標項目」と「目標値」というレベルに展開する。

ここでは、次に示すような目標項目と目標値が設定されたとする。

  1. イベントへの参加者は1,000人以上であること(目標項目 = 参加者数、目標値 = 1,000人)
  2. 内容が充実していること(目標項目 = 内容充実度、目標値 = アンケート満足度4.0ポイント以上)
  3. 将来的に同様のイベントが開催された場合に参加を希望する参加者の率(目標項目 = 次回参加希望率、目標値 = アンケート4.0ポイント以上)
  4. イベントの準備からイベント終了までに要した工数(目標項目 = 総工数、目標値 = 50人日)

イベントが終了した後に、これら1~4の各目標項目について、それぞれに対応する目標値を達成できたかどうかを評価することになる。

次に、目標値を達成するための実施事項を設定する。

実施事項は、この場合のイベントを開催するという業務や目標項目と関連しそうな事項をできるだけ多く挙げるようにする。

例:会場を選定する、ブースの数を決める、講師を選定するなど

実施事項を検討する際には、ロジックツリー(HOWツリー)を用いて、抽象的な事項から具体的な事項へと展開させていく。

例:会場を選定する→「会場候補をリスト化する」、「利用料金を調査する」など

このように、「イベントを成功させる」という目的を達成するための目標項目と目標値、および実施事項を洗い出すことができる。

最後に、実施事項と目標項目を関連付ける。

関連付けに際しては、前述したマトリクスを用いて、関連の強さの度合いを一覧できるようにして、実施事項の漏れや重複がないことを確認する。

実施事項を「誰が」・「いつまでに」行うかを決定する

マネジャーは、チームとして目標を達成するために実施すべきすべての実施事項を確定したら、その1つひとつについて、「誰が」・「いつまでに」行うか、実施事項の活動方法を決める。

マネジャーは、ある程度の腹案を持った上でミーティングの場を設け、部下の業務の繁忙度などをヒアリングしながら、部下が納得できる合理的な決定をするように心がける。

また、ここでは実施事項を「いつまでに」行うかを決めることも忘れてはならない。

マネジャーは、「いますぐ」とか「なるべく急ぎで」などというあいまいな表現は避け、具体的なスケジュールを指示することが望ましい。

決まった担当者とスケジュールは、チームのメンバー全員が見えるようにして共有する。

進捗の「見える化」と確認

マネジャーは、業務計画を作成した後は、その業務計画を実施する。

例えばチームで通年で継続して行っている業務については、目標値の進捗を確認できるように目標管理グラフを作成して進捗を管理するとよい。

進捗に問題がある場合の対応

業務計画の進捗を管理する過程で、マネジャーは、実績が目標値に達しない場面に遭遇することがある。

このような状況は、第10章第4節「マネジャーが認識すべき『問題』」で述べる「本来あるべき姿・目標」と「現在の状況」との間にギャップがあり「問題」が生じている状態といえる。

マネジャーは、業務計画を達成できないかもしれないという「問題」を解決する必要がある。

問題解決は7つのステップを踏んで行う(7つのステップについては第10章第4節を参照)。

第10章第4節参照

目標値と実施事項の因果関係を把握し対応する

マネジャーは、これまでのマネジメントの最後に、PDCAサイクルにおけるAct(処置と改善)をし、次年度の業務計画を作成するための資料とする。

マネジャーは、実施事項が目標値を達成するために有効かどうか(因果関係)を点検・把握して、必要に応じて目標項目・目標値、もしくは実施事項を見直す必要がある。

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